女性の生き方 居眠り磐音 江戸双紙  その十二 竹村武左衛門の娘、早苗

1280px-Des_briques_d'acier_au_katana_-_2016-04-19 Japanese_blacksmith d825ee6d9c1e684d38eb8e63c066e20bもと伊勢は津藩の家臣が竹村武左衛門です。妻の勢津と四人の子供と長屋で暮らしています。酒豪と粗野な言動で家族を困らせています。だが不思議と憎めないのです。竹を割った性格でズケズケとものをいいます。坂崎磐音や品川柳次郎とは用心棒仲間です。

娘の早苗は磐音の尚武館道場で住み込み女中として働いています。息子の修太郎は竹村家の嫡男となるはずなのですが、自堕落な性格で遊び仲間に引き込まれ家族を心配させています。母の勢津は息子を仕官させたいとして、尚武館道場に通わせるのですが修太郎の稽古は休みがち、自他とも剣術(ヤットウ)に向いていないことがわかります。

磐音はあるとき、修太郎を連れて鰻屋に連れて行き職人の働きぶりを見せながら食事をします。その足で、御家人にして名人研ぎ師である鵜飼面助のところにも立ち寄るのです。磐音もまた大事な刀を面助に託しています。

やがて修太郎はあちこちの刀鍛冶などを訪ね歩き、面助に師事したい考えるようになります。そして両親に自分も将来研ぎ師になりたいと相談します。しかし、両親と早苗は半信半疑なのですがしぶしぶ修太郎の申し出を受け入れます。

武左衛門と勢津が息子の刀鍛冶への修行を認めたことを知った磐音は、修太郎を連れて面助の研ぎ場を訪ねます。そして弟子入りを頼むのです。磐音の熱意にほだされたのか、面助は断るわけにいきません。磐音は早苗が弟子入り話で心配する尚武館に戻ってきます。そこにおこんの父、金兵衛もいます。

早苗 「若先生、真にありがとうございました。後は修太郎の忍耐と頑張りだけです。」
磐音 「面助様の研ぎを極めるのは並大抵のことではござらぬ。修太郎どのは時に姉の早苗どのに泣き言を言うてくるやもしれぬ。そのときはきつい言葉で追い返すのではのうて、なにか一つ、成長の証を見つけてな、褒めてやりなされ。」
磐音 「自らが望んだ道、われらも気長に見守っていこうではないか。」
金兵衛 「早苗さん、喜べ。姉があれこれ案じた甲斐があったというものだ。」

[contact-form][contact-field label=’お名前’ type=’name’ required=’1’/][contact-field label=’メールアドレス’ type=’email’ required=’1’/][contact-field label=’ウェブサイト’ type=’url’/][contact-field label=’コメントをお寄せください’ type=’textarea’ required=’1’/][/contact-form]