音楽の楽しみ 合唱曲の数々 その49 「 St. Thomas Boys Choir」

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私はまだドイツへ行ったことはありません。書籍や写真、音楽、その他教会聖歌隊の活動でドイツの歴史や政治、思想、ルターの宗教改革、バッハなどの作曲家のことを学んでいるだけです。この目で確かめる実体験がないので少々筆を持つことにためらいがあります。

聖トーマス教会 (St. Thomas Kirche)と聖ニコライ教会 (St.Nikolai Kirche)が、ライプツィヒ (Leipzig)のシンボル的な教会といわれます。それは、音楽分野の発展と東西ドイツの統一において重要な役割を果たしてきたからです。中でもトーマス教会は作曲家ヨハン・セバスチャン・バッハゆかりの場所、そしてトーマス教会少年合唱団の活動の舞台として世界的に知られているルーテル教会です。

ニコライ教会のことです。もともと東ドイツ領であったライプツィヒでは、冷戦の真っ只中に、この教会で平和のあり方を考える「平和の祈り」 (Friedensgebete) と呼ばれる集会が毎週月曜に開かれるようになりました。東ドイツにおける民主化運動の出発点です。時代は経て1989年11月10日のベルリンの壁の崩壊につながり1990年11月に東西ドイツの統一が成ります。

聖トーマス教会の創建は1212年の聖トーマス修道院設立まで遡ります。同時期に創設された聖トーマス教会聖歌隊は変声前の子どもによって組織され、教会と共にその歴史を歩みます。現在の建物は1496年に献堂されたもので、マルティン・ルター (Martin Luther) は1539年の聖霊降臨日 (Pentecost)に説教を行い、教会はプロテスタント・ルター派としてその信念と伝統を受け継ぎます。

ニューグローヴ世界音楽大事典 (New Grove Dictionary of Music and Musicians) によりますと、熱心なルター派信徒であったバッハ (Johann Sebastian Bach) は1723年から1750年まで市の音楽活動を統括する聖トーマス教会音楽監督(楽長)(Thomaskantor)を務めました。バッハは少年たちの音楽指導にあたりながら数々の傑作を書き上げ、その代表作、かつ西洋音楽史上の最高峰といわれる「マタイ受難曲」(Matthew Passion  BWV 244) を作曲します。1727年にこの教会で初演されたとあります。

ライプツィヒを拠点とするゲヴァントハウス管弦楽団 (Gewandhaus Orchestra) は、 聖トーマス教会やライプツィヒ歌劇場での演奏も担っています。楽団が三つに分かれて演奏しているようです。