音楽の楽しみ その30  合唱曲の数々 「カリンカ」

旧ソ連、いまのロシア連邦には有名な合唱団があります。ロシア赤軍合唱団 (Red Army Choir) です。旧赤軍・旧ソビエト連邦軍の軍人で構成される合唱団の総称とされます。正式には、「アレクサンドロフ・アンサンブル」 (Alexandrov Russian Army Twice red-bannered Academic Song and Dance Ensemble) と呼ばれるようです。旧ソビエト連邦の作曲家で陸軍軍人であったアレクサンドル・アレクサンドロフ (Alexander Alexandrov) が創設した合唱団です。

アンサンブルですが、合奏や重奏、合唱、重唱の呼び名です。「アレクサンドロフ・アンサンブル」は大勢の合唱に加え、バラライカ (Balalaika) やバヤン (Bayan) などの伝統民族楽器を取り入れたオーケストラと踊り子で編成されます。大祖国戦争と呼ばれる独ソ戦から、戦後のソ連軍、現在のロシア連邦軍時代と伝統を受け継ぎ存続しています。赤軍合唱団の中でも圧倒的な声量とハーモニーで世界的な名声を博している合唱団が「アレクサンドロフ・アンサンブル」です。

定番であるロシア民謡、革命歌、軍歌、その他オペラの楽曲なども得意としており、ソリストや団員の多くは音楽アカデミーなどで教育を受けた声楽家出身者といわれます。独唱や合唱だけでなく、コサック・ダンスやタップ・ダンスといった演舞も見物です。サーベルを持つコサック騎兵や兵士や水兵に扮したダンサー達は聴衆を楽しませるエンターテイナーです。

カリンカ (Kalinka) とは、落葉低木で主に山地や丘陵地の明るい林や草原に生える木です。筆者は北海道でこの花と実を見ていましたが、「ガマズミ」という名前までは知りませんでした。若く美しい娘をガマズミにたとえ、どうか自分を好きになってくれ、という恋歌です。「カリンカ」は、アップテンポな4拍子のロシアの伝統曲。テノールの独唱とそれに続く合唱が響きます。


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