イエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)がこの州の北西部に広がります。年間600万人が訪れます。合衆国で最古の国立公園で、シンボルになっている間欠泉や温泉の見所で有名です。同じく最初の国定記念物として指定されているのが、デビルスタワー(Devil’s Tower)です。アメリカ先住民族から神聖視される岩山で登ることができます。
Shane(Wikipediaより)
州のモットーは、「Equality State」という少々地味な名称です。1869年に合衆国の地方議会で最初に女性に参政権 (Suffrage) が認められます。ほどなくして1870年2月に、エスター・モリス(Ester H. Morris)が州判事に任命されます。ララミー(Laramie)という街で、参政権によって最初に投票したのは、ルイザ・スエイン(Mrs. Louisa Swain)です。1894年には、エステル・リール(Estelle Reel)がアメリカで最初の州教育長官(State Superintendent of Public Instruction)になります。さらに、1924年にネリー・ロス(Nellie T. Ross) が合衆国で最初の女性知事として選ばれます。男女同権を意味するのが「Equality 」です。
この小説の作家はグッターソン(David Guterson)というアメリカ人です。これを今回は紹介します。小説の舞台はワシントン州北西部の小さな湾のジュアン・デ・フカ(Strait of Juan de Fuca)に浮かぶ、人口5千の移民の島サンペデロ島(San Piedro)です。1954年12月、日系アメリカ人漁師のカブオ・ミヤモトは、同僚カール・ハイン(Carl Heine)を殺害したとして第一級殺人容疑で罪に問われます。カールは強い絆で結ばれる人々の中で慕われていた漁師でありました。カールの死体は漁網の中で発見され、彼の腕時計は午後1時47分を指していました。島全体を包む吹雪の中、戦争後の反日感情が広がっている時代です。
ワシントン州の歴史ですが、日本との関係が深いのをご存じですか。戦前、日本から沢山の移民がこの地にやってきたのです。戦前、戦後、日系アメリカ人は辛い生活を余儀なくさせられます。そのことを記した小説に「Snow Falling on Cedars–ヒマラヤ杉に降る雪」 というのがあります。舞台は戦前で、ワシントン州の島における日系アメリカ人に対する人種差別を題材としています。この小説は、1995年にウイリアム・フォークナー賞(Faulkner Awards)をもらいます。この賞はアメリカの主要な文学賞の一つで、毎年優れた小説作品に贈られます。フォークナー(William C. Faulkner)はアメリカを代表する小説家です。
ルイジアナ州(Louisiana)の名は、フランス王ルイ14世(Louis XIV) にちなんでつけられています。1541年にスペイン人の探検家、デ・ソト(Hernando de Soto) がやってきます。1682年にはフランス人、ラ・サール(Sieur de La Salle) がルイジアナ一帯をフランス領と宣言します。さらに、1803年にアメリカがルイジアナをフランスから購入します。これによりミシシッピー川(Mississippi River)の航行権を確保し、将来における西部への拡大や発展を可能にします。
本稿はアーミッシュの子ども達の教育についてです。子どもはコミュニティの中にある一部屋の教室で8年間学びます。これはワンルーム・スクール・ハウス(One room school house)と呼ばれています。二部屋の教室もあります。学ぶのは聖書の読み書き、英語、ドイツ語、算数、歌唱などに限られています。教師は未婚の女性がなります。教員免許は持っていません。学びで大切なことは、両親らから教えられる農作業、家畜の世話などの実地体験です。子どもは大学に入ることはありません。高等教育は、アーミッシュの人々の考え方や生き方を乱す世俗のものであると考えるからです。
Amish School
教育年限が8年間であることについて、ウィスコンシン州に住んでいたジョナス・ヨーダ(Jonas Yoder)ら3名のアーミッシュがマディソンの近くにあるニューグレラス(New Glarus)高等学校への子どもの就学を拒否してウィスコンシン州教育委員会を相手に裁判を起こした有名な事例があります。これはWisconsin v. Jonas Yoder裁判と呼ばれます。初審はグリーン・カウンティ(Green County)裁判所で開かれ、原告の敗訴となり5ドルの罰金が科せられます。二審の州最高裁では、一転してヨーダー側の勝訴となります。それを不服としてウィスコンシン州教育委員会は、連邦最高裁判所に上告します。保護者には子どもに高等教育を受けさせる義務があるという主張です。
アーミッシュには、(Ordnung)という戒律のような信仰告白があり、生き方の指針として次の教えを大切にしています。それは洗礼、人類愛、絶対平和、近代文明への非協調、聖書に従順といったことです。謙虚さ、家族、共同体、世俗社会からの独立などを大切にし、原則として人生の快楽を求めることは禁止されています。こうした教義からアーミッシュが、質素でつつましい人々(plain and simple people)と呼ばれる所以です。聖書の講釈においては厳格主義を貫きます。自由な解釈を許さないという立場です。ここで私どもが誤解していけないことは、アーミッシュはカルト集団とか禁欲的な集団ではないということです。良き農業者となることを喜びとする穏やかな人々です。
メリーランド州(Maryland)のナンバープレートです。州のニックネームであるOld Line State(憲法を署名した由緒ある州)とかFree State(自由を求める州)などが記されています。Old Line Stateとは合衆国最初の憲法を7番目に署名した州という意味です。州名の発音が心地良い響きもっています。
メリーランド州の人々の一人当たりの平均収入は2007年から連続全米一となっています。これは、ワシントンD.C.に通う人々が多いこと、ハイテクの産業が多いことなどが理由となっています。350余りのバイオテクの企業が多いのも特徴です。そしてメリーランド大学(University of Maryland)が科学者や研究者などの専門家を輩出する中心となっています。農業が盛んなのがアメリカのどの州にも共通する特徴です。メリーランド州もそうです。キュウリ、スイカ、スイートコーン、トマト、マスクメロン、カボチャ、梨などが採れます。
マサチューセッツ州のナンバープレートには「Spirit of America」というキャッチフレーズが印字されています。これは、建国の精神を意味します。1680年ころから、マサチューセッツはイギリスの植民地となります。1760年代になると、マサチューセッツ憲法として権利の宣言と政府の樹立を叫び、イギリスの支配に反旗を翻します。やがて独立戦争が始まるのです。この自治と独立の精神が「Spirit of America」というものです。
研究機関としてハヴァード大学(Harvard University)、マサチューセッツ工科大学(MIT)を筆頭として、ボストン大学(Boston University)、マサチューセッツ大学(University of Massachusetts)、タフツ大学(Tufts University)など、いずれも合格率は10%前後という難関大学です。
ミシガン州(Michigan)のナンバープレートには「Great Lake State」と印字されています。州名は、チペワ(Chippewa)インディアン語で「大きな湖」から由来します。五大湖を指しています。ミシガンは北はカナダと国境を接しスペリオル湖(Lake Superior)・ヒューロン湖(Lake Huron)を抱え、西はウィスコンシン州、南はインディアナ州とオハイオ州に接しています。州都はランシング(Lansing)で最大の都市はご存じデトロイト(Detroit)です。デトロイト国際空港は6本の滑走路を有し、Delta航空の一大ハブ空港となっています。
その他の産業も盛んです。アムウェイ(Amway)、穀物のケロッグ(Kellogg)、ダウケミカル(Dow Chemical)、ワールプール(Whirlpool)などもここにあります。研究開発はミシガン大学(University of Michigan)、ミシガン州立大学(Michigan State University)、ウェイン州立大学(Wayne State University)が担っています。