MMTは現代貨幣理論と呼ばれています。通貨発行権を持つ国家は債務返済に充てる通貨を自在に創出できることから、「財源確保のための徴税は必要ではない」、「財政赤字で国は破綻しない」、「インフレにならない限り国債はいくら発行しても問題はない」と主張するのです。MMTはケインズ(John M. Keynes) 経済学の流れを汲むマクロ経済学理論のひとつで、「政府の財源は税と債券発行によって調達すべき」、「赤字拡大が続けば国は破綻する」という主流派経済学の見方に対抗しています。
2015年9月25日に国連総会で採択されたのが、持続可能な開発のための17の国際目標です。向こう15年間の新たな行動計画『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』(Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development)が採択されたのです。国連はさらに2030年までに貧困や飢餓をなくすほか、ジェンダーの平等や気候変動対策を進めることなどを目標として掲げています。
第二次世界大戦後、国際連合を中心に多くの国際機関が設立されました。日本人に最も馴染みのあるユネスコ(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization: UNESCO)もそうです。教育や科学、文化の分野で国際協力を推進し、世界平和と人類福祉の促進を目的として設立されています。他にも次のような国際機関や政府機関もあります。
この機関は世界保健機関 (World Health Organization)と呼ばれています。1948年4月7日に、すべての人々の健康を増進し保護するため互いに他の国々と協力する目的で設立されました。グローバルな保健問題を解決するために、様々な活動を行っています。具体的には、感染症対策、健康に関する研究、国際的なガイドライン策定、加盟国への技術支援、健康志向の監視・評価などがあります。
世界貿易機関(World Trade Organization)は、このところメディアで注目されています。1995年1月に関税及び貿易に関する一般協定であるガット((General Agreement on Tariffs and Trade:GATT)を発展解消させて成立したのがWTOです。WTOは自由貿易の促進を目的とする国際機関です。1995年に設立され、各国が貿易に関するルールを定めて相互の貿易を円滑に進めるための枠組みを提供しています。その役割は、自由(関税の低減、数量制限の原則禁止)、無差別(最恵国待遇、内国民待遇)、多角的通商体制の3つを基本原則としています。また、物品貿易だけでなく金融、情報通信、知的財産権やサービス貿易も含めた包括的な国際通商ルールを協議する場でもあります。
MAGAについては、茶化すフレーズもあります。「Make America Great Britain again(アメリカを再びイギリスにしよう)」というフレーズです。イギリスの女優エリザベス・ハーレイ(Elizabeth Hurley)は、アメリカ合衆国がイギリス帝国の植民地だった歴史を踏まえて、トランプを揶揄したことです。こうした笑いや皮肉も広まり、トランプの評判は、良きにしろ悪しきにせよ一層高まるのです。
最高経営責任者には、有名な人物がいます。電気自動車(EV)大手テスラ(TESLA)の最高経営責任者がイーロン・マスク(Elon Reeve Musk)です。昨年11月の大統領選挙キャンペーンにおいて個人寄付者として2番目に多くの資金を提供するなど、熱烈にトランプを応援し、今は政府効率化省(Department of Government Efficiency: DOGE)の事実上のトップとして活動しています。電子決済の先駆的企業PayPalの創業者の一人として成功を収め、その後電気自動車(テスラ)、宇宙開発(スペースX)、太陽光発電などのビジネスでも成功しています。2022年にはTwitter(現在のX)を買収します。
祝日が多い日本では、金曜日の捉え方が、欧米と較べて大きな意味があるとはいえません。ユダヤ教では土曜日が安息日なので、金曜日はその準備で忙しくなります。キリスト教では、東方と西方教会(eastern and western church)は断食の習慣があります。我が国では金曜日は週刊誌などの発行日となり、交通機関も週休二日に備え金曜日ダイヤを設定したりしています。若い人々にとって、金曜日がくると俄然張り切るものです。特にアメリカの学生はそうです。
韓国側には臨津閣(イムジンカク)という公園があり、ここに都羅(トラ)という展望台があります。そこから北朝鮮側の景色をみることができます。臨津江という河には橋が架かり、その名は「Bridge of No Return」(帰らざる河)とよばれています。臨津閣には毎年約650万人の観光客が訪れています。地下トンネルも観光の目玉となっています。私はこれまで韓国には5度訪ねています。2回臨津閣に行き、のどかな臨津江を眺めながら朝鮮の歴史を思い起こしました。
1957年に制作された「戦場に架ける橋」(The Bridge on The River Kwai)では、捕虜となったイギリス人兵士がクワイ川の橋造りにかり出されていました。この映画は、1943年の夏頃ビルマとタイの国境付近にある捕虜収容所が舞台で捕虜のイギリス兵士と日本軍人たちの対立や交流を描いた名画です。収容所長である斉藤大佐は、収容所付近にある泰緬鉄道をバンコクとラングーン間を結ぶために、クワイ川に架かる橋を建設しようとしてイギリス軍捕虜を召集します。第二次世界大戦以前の日本では、「捕虜」を「俘虜」という用語としていました。
1918年にホイジンガはアメリカ紀行を綴った「America: A Dutch Historian’s Vision from Far and Near」という本を書いています。ホイジンガはこの旅行体験をふまえて、アメリカにはピュエリリズムの特徴に関する「文明、哲学、人間関係、公の言論、社会的価値など、ありとあらゆる種類の検討材料」が揃っていると観察します。「ヨーロッパでは子どもっぽいといわれることが、アメリカではナイーヴ〔素朴〕なことである場合がたくさんあると観察し、真のナイーヴさはピュエリリズムの非難を免れるというのです。まだまだ、アメリカには「遊び」の真面目さ、厳粛さ、神聖さを伴ったフェアなものが見られると主張します。遊びには秩序(ルール)を守る心の余裕が必要であるが、アメリカにその余裕が見られるというのです。この見方には異論もあろうかと思われます。
トランプ政権は、これまでガザ(Gaza Strip)紛争に関連する学生抗議活動へのハーヴァード大学の対応を批判してきました。トランプ大統領は、 ハーヴァード大学がキャンパス内のユダヤ人学生を反ユダヤ主義的な差別や嫌がらせから適切に保護していなかったとして、1964年公民権法第6条(Title VI of the Civil Rights Act) に違反していると非難しています。
これに対してハーヴァード大学第31代学長のアラン・ガーバー(Alan M. Garber) は2025年4月14日、トランプ政権との補助金を巡る交渉で、学生や教員の「反ユダヤ主義的な活動」(antisemitism movement) の取り締まり強化などを求めた政権側の要求を拒否すると明らかにしました。ガーバーはユダヤ系アメリカ人であることも注目されます。トランプ大統領は、政権が推進する方針に従わない教育機関への補助金を打ち切る姿勢を示しています。 ハーヴァード大学は政権と真正面からぶつかる初めてのケースとなっています。
政府が審査している90億ドル(1兆2,888億円) には、 ハーヴァード大学への研究支援2億5,600万ドル (371億4,552円)に加え、大学およびマサチューセッツ総合病院(Mass General Hospital)、ダナ・ファーバーがん研究所(Dana-Farber Cancer Institute)、ボストン小児病院(Boston Children’s. Late Monday)など、複数の著名な病院への将来の拠出金87億ドル (1兆2,428億円)が含まれています。トランプ政権は月曜日遅く、 ハーヴァード大学への22億ドル(3,142億円)の助成金と6,000万ドル (85億7,780万円)の契約を凍結すると発表しました。
ハーヴァード大学は、ここ数週間でトランプ政権が標的とした数10校の一つに過ぎません。先月、教育省はコロンビア大学、ノースウェスタン大学(Northwestern University)、ミシガン大学(University of Michigan)、タフツ大学(Tufts University)を含む60の大学に対し、1964年公民権法の差別禁止条項に違反したとして強制措置を取ると警告する書簡を送付しました。さらに、政権は複数の機関の研究資金を凍結するという措置も講じました。
20253月に医学研究機関(United for Medical Research)が発表した報告書によると、生物医学研究へのアメリカ最大の資金提供機関である国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)が資金提供する研究費1ドルごとに、2.56ドルの経済活動が創出されていると発表しています。報告書によると、NIHは2024年だけで369億ドル (5兆2,695億円)の研究助成金を交付し、945億ドル (13兆4,898億円)の経済活動を生み出し、40万8,000人の雇用を支えているとも伝えています。
2025年4月7日のインタビューで、デューク大学(Duke University) 経営学准教授で、アメリカ政府と高等教育機関の数十年にわたるパートナーシップに関するワーキングペーパーの共著者でもあるダニエル・グロス(Daniel P. Gross)准教授は、大学からの研究資金の撤退はアメリカのイノベーションにとって「壊滅的打撃」だと述べています。デューク大学に移る前は ハーヴァード・ビジネス・スクールで教鞭をとっていたグロス氏は、「大学は現代のアメリカのイノベーションシステムに不可欠な要素であり、大学なしでアメリカは成り立たない」と述べています。
ハーヴァード大学医学部( Harvard Medical School)のジョージ・デイリー(George Q. Daley)学部長は、バイオ医学は長きにわたり連邦政府との強力なパートナーシップに依存しており、そのパートナーシップはアメリカ国民の命を救う進歩という形で実を結んできたと述べました。デイリー学部長は今月、同医学部のジョエル・ハベナー(Joel Habener)教授が、糖尿病治療薬や抗肥満薬の開発につながったGLP-1に関する研究でブレイクスルー賞(Breakthrough Prize)を受賞したことを指摘しました。デイリー学部長はまた、心血管疾患、がん免疫療法、その他多くの疾患における革新的な研究にも言及し、連邦政府の補助金の重要性を指摘しています。
2025年4月1日にウィスコンシン州最高裁判所(Wisconsin Supreme Court) 判事の選挙が行われました。今回の選挙は州最高裁判所の判事を10年の任期で選ぶものでしたが、当選したのはマディソンが位置するデーン郡の巡回裁判官(Dane County circuit judge)のスーザン・クロフォード(Susan M. Crawford)です。彼女は、ウォキショー郡巡回裁判官(Waukesha County circuit judge)で元州司法長官のブラッド・シメル(Brad Schimel)を破り、裁判所のリベラル派の4対3の多数派を維持することとなりました。なおクロフォードの獲得票は55.05%でした。
現職判事のアン・ブラッドリー(Ann W. Bradley)は、30年間の裁判所勤務を経て引退することになり、クロフォードを支持すると表明していました。彼女はリベラル派とみなされ、裁判所のリベラル派の4対3の多数派に一貫して投票していた判事です。クロフォードは、ブラッドリーと同様にリベラル派の候補者とみなされ、ウィスコンシン州の民主党と民主党に所属する寄付者から支援を受けて当選しました。他方シメルは保守派とみなされ、ウィスコンシン州の共和党支持者から支援を受けました。
ウィスコンシン州
この選挙は全国的に大きなメディアの注目を集めました。その理由は選挙戦の費用が総支出額が1億ドルに迫り、史上最も費用のかかる司法選挙となったからです。中でも選挙への関心は、ドナルド・トランプ大統領から指名された政府効率化省(Department of Government Efficiency: DOGE)の長官で億万長者のイーロン・マスク(Elon Musk)は、シメルを支援するために2,500万ドル以上を費やしたと報道されました。これが耳目を集め、選挙戦を大いに賑わす結果となったのです。