アメリカの州鳥 その37 ヴァジニア州の鳥: ショウジョウコウカンチョウ

Last Updated on 2025年1月4日 by 成田滋

ワシントンDC(Washington DC)からポトマック川(Potomac River)を越えたところに位置するアーリントン郡(Arlington County)、そこからヴァジニア州(Virginia)は南西に広がります。イギリスから最初に独立した13州のうちの一つ。南北戦争では南部連合(Confederacy)に属して合衆国軍(Union)と戦いました。州都はリッチモンド(Richmond)となっています。

ヴァジニア州は正式にはThe Commonwealth of Virginiaと呼ばれます。植民地時代から地域がそれぞれに共通した目標である独立に向けて共に発展する意思を表しています。この州からは、歴代8名の大統領を送り出しています。そのために、「アメリカ大統領の母なる地」(Mother of Presidents)とも言われるほどです。DCの対岸の州内にはアメリカ国防総省(Pentagon)やCIA本部もあります。

ウイリアムスバーグ(Williamsburg)は是非訪れたいところです。1690年代には植民地時代の首都でありました。1.5km x 1.5 kmの区画内に入植当時の建物はすっかり復元されて、植民地の面影を感じることができます。その近くに1693年に設立されたウイリアム・メリー大学(William & Mary University)があります。この大学はアメリカで最も由緒のある、また優れた学部教育のカレッジとして知られています。

マウントバーノン(Mount Vernon)はアレクサンドリア(Alexandria)近くに位置し、アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントン(George Washington)の農場があった所です。木製の邸宅は新古典主義ジョージア調建築様式といわれる壮麗なデザインです。マウントバーノンは祝日やクリスマスでも開き、年中無休です。訪問者は邸宅やその他の多くの建物、奴隷用宿舎、台所、厩、温室などを回わりながら、4つの庭園や森の小道を歩き、ワシントンの私的な生活の足跡を辿ることができます。

州鳥はショウジョウコウカンチョウ(Northern cardinal)です。体長は 21–23 cm位で、歌声鳥(songbird)の名に恥じない鳥です。オスは活気のある赤色で、頭冠羽が目立ちます。目と嘴の周りは黒い縞があります。メスは赤っぽいオリーブ色といったところです。オスは鳴き声で縄張りを主張します。求愛のとき、オスはメスに嘴で昆虫などの餌を与えます。メスは一回で3個から4個の卵を産みます。

アメリカの州鳥 その36 ノースダコタ州の鳥: ニシマキバドリ

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ノースダコタ州(North Dakota)は合衆国中西部の最北部、グレートプレーンズ(Great Plains)にあります。州の北側はカナダ国境であり、サスカチュワン州(Saskatchewan)およびマニトバ州(Manitoba)に接しています。西側はモンタナ州(Montana)に、東側はミネソタ州(Minnesota)との州境にレッド川( Red River)が流れ、南側はサウスダコタ州(South Dakota)と接する州です。州都はビスマーク市(Bismarck)。人口最大の都市はファーゴ市(Fargo)となっています。ノースダコタの名前は、スー族(Sioux)であるダコタ族(Dakota tribe)から由来しています。「ダコタ」はスー族の言葉で「友人」という意味です。私はノースダコタを旅したことがありません。

17世紀以降、ノースダコタの領有権はフランス、スペイン、イギリスにより争われます。 1803年、ルイジアナ購入によりフランス領からアメリカの領土になったこの地は、1861年にダコタ準州となりました。 このダコタ準州が現在のノースダコタ州です。州の一番の特徴は厳しい気候があげられます。そのため、他の地域よりも移民の流入が遅れたそうです。 今でも人口密度は低く、州の人口も全米で下から3番目に位置しています。 経済の柱は農業で、中でも小麦は全米トップ、その他、ひまわりの栽培で蜂蜜はトップの生産を誇ります。菜種油(カノーラ油)は92%、カラシ油が62%、ひまわり油は53%、べに花油が18%を占めています。食用油の精製は一大産業となっています。

ノースダコタ州には、63の国立野生動物保護区があります。セオドア・ルーズベルト国立公園(Theodore Roosebelt National Park)、絶滅の危機に瀕した野生のバイソンが400頭以上生息しています。ルーズベルトは1884年、妻と母が同じ日に亡くなった後、その後2年間のほとんどを牧場で働いて過ごします。春には渡り鳥のバードウォッチングができます。アビ、カイツブリ、ペリカン、サギなど 100 種を超える鳥が生息しています。ノースダコタにはノルウェー(Norway)からの移民が多い州です。合衆国のいわば僻地のような所で、人が少なかったのでこの地を選んだといわれます。

Western Meadowlark

州鳥はニシマキバドリ(Western Meadowlark) 体長は22 cm位で、長い嘴を持っています。下腹は黄色く、首の下にV字形の縞模様があります。背中は茶褐色ですが、黄色い斑点が目立ちます。ヒバリ独特の短い鳴き声が響きます。ニシマキバドリは垂直に飛翔し、巣のあるとこから離れたところに着地し、巣の所にそっと戻ります。外敵から巣を守るためです。

アメリカの州鳥 その35 ノースカロライナ州の鳥: ショウジョウコウカンチョウ

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ノースカロライナ州(North Carolina)といえばライト兄弟(Wright Brothers)です。1903年、世界で初の有人動力飛行に成功したのがノースカロライナです。ナンバープレートには「First in Flight」(初の飛行)と記されています。州都ラレイ(Raleigh)で、最大の都市はシャーロット(Charlotte)となっています。

ノースカロライナ州は、周りをバージニア州(Virginia)、テネシー州(tennessee)、ジョージア州(Georgia)、そしてサウスカロライナ州(South Carolina)に囲まれています。チャペルヒル(Chapel Hill)という町には、実に綺麗なノースカロライナ大学のキャンパスがあります。ノースカロライナ州は科学技術の研究開発が非常に盛んなところです。その中心はResearch Triangleと呼ばれる ラレイ、ダーム(Durham)、チャペルヒルの三つの町です。三つはちょうど三角形のように点在しています。

農業生産品は鶏卵、豚、牛、牛乳の他にタバコ、大豆が主要なものです。他にも織物、化学工業、電子機器、製紙業も知られています。意外なことですが、ノースカロライナ州はカリフォルニア州以外で最大の映画制作を行っている州の1つでもあります。 

Northern Cardinal

グレートスモーキー山脈国立公園(Great Smoky Mountains)は、約 900 キロメートルにもおよぶ絶景です。ハイキング、キャンプ、ラフティング、ジップラインを通して、この地域の息をのむような景色を堪能できます。海岸沿いでは、カイトボード、サーフィン、スタンドアップ・パドル・ボード、カヤックなども楽しめます。私的な話ですが、来年7月にノースカロライナの大西洋岸のビーチそばで、家族が13名が再会してバケーションを楽しむ予定となっています。すでに娘達が一軒家を予約しています。

州鳥のショウジョウコウカンチョウ(Northern Cardinal)アメリカでは冬期には、都市公園などでも見られ、国民に最も愛されている野鳥のひとつとなっています。頭には冠羽、体全体が赤く、嘴は短めです。尾羽は赤みがかって長く体がすらりとした美しい鳥です。オスは成熟するにつれて赤みが増していくのです。

アメリカの州鳥 その34 ネブラスカ州の鳥: ニシマキバドリ

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ネブラスカ州(Nebraska)は合衆国のほぼ真ん中に位置しています。北はサウスダコタ(South Dakota)に、東はアイオワ(Iowa)とミズーリ(Missouri)に、西はワイオミング(Wyoming)とコロラド(Colorado)に、南はカンザス州(Kansas)に囲まれています。州都はオマハ(Omaha)。州の大部分は平坦な大平原が広がり、そこは肥沃なプレーリー(prairei)土に恵まれ、牛肉・豚肉・トウモロコシ・大豆の生産で、国内のトップとなっています。

ネブラスカの西部にはチムニー・ロック(Chimney Rock)など巨大な岩で知られています。このあたりはでは沢山の恐竜が発掘されています。きわめて保存状態が良く恐竜の骨格がはっきりしています。それを展示しているのがネブラスカ大学リンカーン校(University of Nebraska- Lincoln)です。院生を引率してリンカーン市内の小学校を視察し、大学の恐竜博物館へ行きました。圧巻そのものです。

Western Meadowlark

州の鳥はニシマキバドリ(Western Meadowlark)といいます。全長は約23cm。腹と喉にかけては黄色で、胸には地褐色と黒い帯状の縞が入ります。上面は黒と薄褐色の縞模様をしています。嘴は長く、鳴き声はチュチュ、チュチュというヒバリに似ています。巣は草地に作ります。ほとんどは昆虫を主食としています。ニシマキバドリはモンタナ(Montana), カンザス(Kansas), ノースダコタ(North Dakota), オレゴン(Oregon)、ワイオミング(Wyoming)の州鳥ともなっています。

アメリカの州鳥 その32 ニューヨークの州鳥: ルリツグミ

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誰でもが名前をご存じのニューヨーク(New York)は金融センター、国連本部など世界の政治、経済、文化、ファッション、エンターテインメントの中心地です。ショービジネスなど娯楽産業の中心でもあります。年間4,700万人の観光客が訪れます。国際連合はじめ公共機関も沢山あります。9・11の影響がいまだに続いてはいますが、急速な回復はニューヨークのバイタリティを感じます。公共交通網も張り巡らされ、多くの交通機関は24時間運行となっています。ニックネームはBig Apple。その由来は、大恐慌時代に失業者が市内ででリンゴ売りをしていたとか、ジャズマンが使い出したとか。1800年代に街には一番いい「リンゴ」があったという(隠語で売春婦)説などがあります。

歴史的に由緒のある所といえば、エリス島(Ellis Island)でしょう。ニューヨーク湾内にあって、19世紀にヨーロッパからの移民が到着したのがこの島です。かつての移民管理局は今は博物館となっています。1800年頃から1954年まで使われていたとあります。その近くには自由の女神(The Statue of Liberty)が建っています。合衆国の独立100周年を記念してフランスより贈呈され、1886年に造られました。ヨーロッパからやってきた人々が船上からこの像を眺めて、新天地への憧れを抱いたところといわれています。自由の象徴ともなっています。

ニューヨークではBBQを賞味したいものです。シシカバブ(shish kebab)です。もともとはトルコからの移民がもたらした料理ですが、たくさんのBBQレストランがあります。私にとってのニューヨークですが、一度セントラルパーク(Central Park)をジョギングし、家内はメトロポリタン美術館へ、院生はミュージカルを楽しみました。友人の教員がBBQレストランに連れて行ってくれたのが思い出です。

bluebird

ニューヨークの州鳥はルリツグミ(bluebird)でミズリー州の鳥ともなっている美しい鳥です。色鮮やかなルリツグミ属の仲間は3種に分類されています。ルリツグミの成鳥は腹が白いのが共通しています。オスの成鳥は上部が鮮やかな青色、喉と胸は赤茶色です。メスの成鳥は灰色がかった青の翼と尾、茶色っぽい喉と胸、灰色の頭と背を持っています。幼鳥は灰茶色で赤みがなく、胸はまだらで、翼と尾は青みがかっています。その美しい羽の色と、多くの人の耳には「チャー・リー、チャー・リー」と聞こえる独特なさえずりを特徴としていて、人々に広く愛されている鳥です。木のある開けた土地、畑地、果樹園などを好みます。

アメリカの州鳥 その31 ニューメキシコの州鳥: オオミチバシリ

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ニューメキシコ(New Mexico)の州鳥の紹介です。州都は、かってメキシコの総督府が置かれていたサンタ・フェ(Santa Fe)です。観光はサンタ・フェの経済を支えています。歴史・芸術・文化の豊かな州都でもあります。ジョージア・オキーフ美術館(Georgia O’Keeffe Museum)はその中心といえましょう。オキーフは特にアメリカ人に人気のある女性画家です。自然の景観や動植物などの自然を題材としています。オキーフはウィスコンシン州の農家に生まれ、マディソン(Madison)で高校時代を過ごしたこともあります。

サンタ・フェのダウンタウンにある歴史地区、特に総督府に隣接するプラザ(Plaza)にはメキシカンフードの人気レストランが立ち並んでいます。街並みは日干しの土で作られた建築物アドービ(Adobe)です。砂、砂質粘土とわらなどの素材でつくられる建材です。熱を吸収してもゆっくりと放出するので建物の中は涼しく、ニューメキシコのような暑くて乾いた地に適しているといわれています。

この州の最大の都市はアルバカーキー(Alburquerque)です。今では伝説的となりましたが、かってビル・ゲイツ(Bill Gates)がパソコンのOSを開発した町です。もともと大部分がネイティブ・アメリカン(インディアン)の居留地で、今もナバホ(Navajo)、プエブロ(Pueblo)、アッパチ(Apache)インディアンが住む居留地があります。そこで作られる民芸作品、各地にある大小の博物館の展示物、そして大自然が観光客を魅了しています。ネイティブ・アメリカンとメキシコの文化と芸術を最も身近に接することができる州といえましょう。

Greater Roadrunner

州鳥はオオミチバシリ(Greater Roadrunner)。その名の通りもの凄いスピードで地上を走ります。体長は50-60cmほどで、腹は白いですが、背中は黒褐色の地に白いまだらもようがあります。頭には黒く短い冠羽があります。足とくちばしはがっしりとしています。目の横に赤と白の縞はついています。尾羽が長いのも特徴です。砂漠地帯に生息し、地上で生活しており、飛ぶことはできますがあまり上手ではありません。鳴き声は鳩に似ています。食性は、小動物から木の実まで食べる雑食性で、狩りの腕も良く猛毒を持つ小さなガラガラヘビやトカゲ、サソリまでも捕食します。厳しい環境の砂漠で生き抜くために適応しているといえます。

アメリカの州鳥 その30 ニューハンプシャーの州鳥: ムラサキマシコ

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ニューハンプシャー州(New Hampshier)の紹介です。南は(Massachusetts)、西はバーモント州(Vermont)、東はメイン州(Maine)と大西洋に接し、また北はカナダのケベック州(Quebec)と国境を接しています。ニューハンプシャーの州都はコンコード(Concord)という小さな街です。コロニアルスタイルといわれる町並です。植民地時代の木造家屋のデザインを示します。

この州で忘れられないところがポーツマス(Portsmouth)という街です。1800年設立のアメリカ初の海軍工廠であるポーツマス海軍造船所があります。日露戦争が終わり、当時の大統領ルーズベルト(Theodore Roosevelt)の仲介で講和条約が軍工廠内で締結されたところ、それがポーツマスです。実に小さな港町です。こんなところでポーツマス条約が結ばれたのか、と頭をかしげたくなるようなのんびりとした所です。

講話会議における日本の代表は外務大臣の小村寿太郎、ロシアは元大蔵大臣のセルゲイ・ウイッテ(Sergei Witte)です。日本は、ロシアのバルチック艦隊(Baltic Fleet)を撃破したとはいえ、すでに戦費が尽きてアメリカに講和の仲介を依頼したのです。ロシアも革命の機運が起こり、講和を望んだようです。ポーツマスの博物館に当時の交渉の様子を報道した写真や新聞記事が飾られています。大男のウイッテが小男の小村を威圧するイラストがあります。当時ロシアはヨーロッパの大国、日本はアジアの小国でした。アメリカは太平洋の利権があって日本に同情的な姿勢であったことを伺わせます。

ニューハンプシャーのナンバープレートには「Live Free or Die」と描かれています。「自由を与えよ、さらば死を」という意味です。ニューハンプシャーは最初にイギリスの統治を離脱し独立への歩みを踏み出した州です。

Purple Finch

州鳥はムラサキマシコ(Purple Finch)です。体長は15センチくらい。名前は紫ですが、オスの顔から胸にかけて濃い赤色の羽があります。腰も赤色です。胸から下は灰白色に薄赤茶色の斑模様があります。翼は茶褐色で縁には白い部分があります。尾も茶褐色で、先が少し分かれていて燕尾状になっています。メスは派手な赤色がなくて全体に地味な色です。常緑樹に巣を作ります。パートナー探しでオスはメスに餌を与えるのです。

アメリカの州鳥 その29 ニュージャージーの州鳥: オウゴンヒワ

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ニュージャージー州(New Jersey)は、ニューヨーク(New York)のハドソン川(Hudson River)の対岸、そしてデラウエア(Delaware)の北東、西はペンシルバニア(Pennsylvania)に接しています。州都はトレントン(Trenton)となっています。ニューヨークの隣なので、多くの人が電車で通勤しています。フィラデルフィア(Philadelphia)へもそうです。最大都市はニューアーク(New Ark)です。

イギリスから最初に独立した13州のうちの一つでもあり、その歴史は古いです。ニュージャージーに最初にやってきた人々はオランダ人、そしてスエーデン人です。やがてイギリスからの移民が増加し、1649年に名前がNew Jerseyとなります。そこから長らくイギリスの植民地となります。独立戦争の頃、ニュージャージーは依然としてイギリスの支配下にありました。植民地軍とイギリス軍がこの州をまたいで大きな戦いが繰り広げられます。そのため、州のニックネームはやがて「革命への交差路」(Crossroads of the Revolution)と呼ばれます。

American Godldfinch

アイオワの州鳥と同じオウゴンヒワ(American Godldfinch)です。黄金ヒワの名前が指すとおり、オスはとても鮮やかなレモンイエローです。オスの頭部に黒いキャップがみられます。他方、メスはやや褐色がかり、頭部の黒いキャップがありません。簡単にオスとメスとを見分けることができます。鳴き声は高くチッチッチッととても心地よいです。オウゴンヒワの若鳥の羽色はグレーで地味です。

17世紀の後半にオランダ(Netherlands)やスエーデン(Sweden)から移民がやってきます。その後イギリスが支配するようになり、当時覇権を握っていたイギリス王が、フランスの沖にあるチャネル島(Channel Islands)の”Jersey”の名をとってNew Jerseyと名付けます。現在、ニュージャージーの住民は、合衆国で最も裕福な暮らしをしているといわれます。子どもの学力も最も高い州ともいわれています。

アメリカの州鳥 その28 デラウェアの州鳥: ブルーヘンチキン

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デラウェア州(Delaware)です。17世紀初頭からスウェーデン(Sweeden)やオランダ(Netherland)からの移民が東海岸に入植します。デラウェアの東はニュージャージー州(New Jersey)、北はペンシルバニア州(Pennsylvania)、西はメリーランド州(Maryland)と接しています。

合衆国の建国に関わった13植民地のうちで最初に憲法を批准したのがデラウェア州です。1787年のことです。車のナーンバープレートには「First State」と誇るように記されています。東海岸のチェサピーク湾(Chesapeake Bay)とデラウェア湾に面し、ロードアイランド州(Rhode Island)に次いで全米で2番目に面積が小さい州です。州都はドーバー(Dover)です。

デラウェア州で有名なのは、大財閥企業デュポン・ド・ヌムール社(DuPont de Nemours, Inc)です。フランスの貴族ピエール・デュポン(Pierre Dupont)が州最大の都市ウィルミントン(Wilmington)に火薬工場を作り、やがてアメリカ有数の化学企業となります。この州には多くの法人が登録されています。法人税が安いため籍だけを置く会社が多いのです。アメリカならではの話です。

Blue Hen Chicken

州の鳥はブルーヘンチキン(Blue Hen Chicken) で、文字通り青い雌鶏です。独立戦争当時、デラウェアからの民兵は勇敢であることから「青い雌鶏の兵士」と呼ばれました。デラウェアは闘鶏が盛んなところで、闘いに強いシャモが使われ、庶民の間でも娯楽として広まっていたのです。体の色は腹が青く背中は黒い羽で覆われています。鶏冠は赤く闘争心が旺盛な鳥です。雄は成熟すると他の雄を寄せ付けません。

アメリカの州鳥 その27 テネシーの州鳥: マネシツグミ

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70代以上の方にはラジオから流れていたテネシー・ワルツ(Tennessee Wartz)という甘い曲が懐かしでしよう。歌っていたのはPatty Pageという当時大変人気のある歌手でした。テネシー州は州境でケンタッキー州(Kentucky)、ミズーリ州(Missourie)、ヴァージニア州(Virginia)など8つの州と接しています。最大の都市はメンフィス(Menphis)ですが、州都はナッシュビル(Nashville)となっています。「チュチュトレイン(Choo Choo Train) 」のチャタヌガ(Chattanooga)もこの州にあります。アパラチア山脈(Appalachian Mountains)を中心とするグレート・スモーキー山脈(Great Smoky Mountains)国立公園はハイカーが押し寄せるところです。産業では、タバコ、綿花、そして大豆などの農産物が有名です。

1933年に当時の大統領ルーズベルト(Franklin Roosebelt)が世界恐慌の対策としてニューディール(New Deal)政策を進めます。テネシー川(Tennessee River)やカンバーランド川(Cumberland River)流域の総合開発です。このプロジェクトを管轄したのがテネシー渓谷開発公社(Tennessee Valley Authority: TVA)です。30余りの多目的ダムを建設し失業者を雇用するのです。

テネシーはカントリーウエスタン(Country Western)の発祥の地です。エルヴィス・プレスリー(Elvis Pressley)もここの出身。彼が主に音楽活動を行ったのがメンフィスです。ナッシュビルにも沢山の南部のライブを楽しめるところがあります。その響きはBluegrassと呼ばれるアコースティック音楽のジャンルです。演奏にはギター、マンドリン、フィドル(ヴァイオリン)、ギターなどの楽器が使われます。アパラチア南部に入植したスコッチ・アイリッシュ(Scotch Irish)といわれる北アイルランドやスコットランドから移住した人たちの伝承音楽をベースにしているようです。

Mocking bird

州鳥のマネシツグミ(Mocking bird) は、真似ツグミとも呼ばれます。「mocking」とはああざけるとか、ふざけていらいらさせるという意味です。Mockingの名の通り、他の鳥の鳴き声を真似るのが上手です。全長は23~28cm位。頭部と背中が淡い灰色、腹部が白か灰色を帯びた白の羽毛で覆われています。翼の色は体と比べて濃く、全体的に黒色で初列風切羽の根元に白い部分があります。尾は長くて黒く外側が白い羽となっています。くちばしは細くて短く、顔はくちばしから目に向かって黒の筋が横切ったような模様をしています。尾羽が長いのも特徴です。実に端正な姿をした鳥です。テキサス(Texas)、フロリダ(Florida)、ミシシッピー(Mississippi)の州鳥にもなっています。

アメリカの州鳥 その26 テキサスの州鳥 マネシツグミ

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テキサス(Texas)はアメリカでは第二の面積を占める南部の大きな州です。1836年にテキサス共和国として一方的にメキシコから独立を宣言しますが、同年メキシコ軍の攻撃により敗れます。入植者がたてこもって抵抗した拠点がサンアントニオ(San Antonio)にあるアラモ砦(The Alamo)。デビー・クロケット(Davy Crockett)、ウイリアム・トラビス( William Travis)など指導者の名前が浮かんできます。映画も作られました。リオグランデ川(Rio Grande River)を挟んでメキシコと接しています。1900年代に油田が発見され、以来多くのハイテク企業が集まります。

最大の都市はヒューストン(Houston)で有名な航空宇宙センター(Space Center Houston)があります。現在の州都はオースチン(Austin)ですが、近年特に人気が高い町がリバー・ウォーク(River Walk)のあるサンアントニオです。リバー・ウォークは小さな河の両岸にレストランが並んでいます。散歩、船下りにも楽しいところです。今や年間1,000万人以上が訪れる全米有数の観光都市としても知られています。

ブッシュ(George Busch) 大統領親子はテキサスの出身です。メキシコ湾や内陸部に油田が多く、エクソンモービルなどの石油会社の本社があります。カウボーイ文化に象徴される放牧業や畜産業でも知られています。アメリカン航空、コンチネンタル航空、AT&Aなど多くの企業の本拠地となっています。カリフォルニア、ニューヨークと並ぶ商業や経済の中心の州です。

Northern Mockingbird

州鳥はマネシツグミ(Northern Mockingbird)です。農地や公園などの住宅があるところや草木の生い茂った草原や砂漠の低木林など木が生えている場所に生息します。食性は雑食でバッタ、アリ、クモ、甲虫などの無脊椎動物やトカゲなどの小型の脊椎動物といった動物性のものと果実やベリー系の植物性のものを食べます。鳴き声を発するのは主にオスのマネシツグミで他のオスから自分の縄張りを守るための警告や繁殖期に交尾相手を誘うために鳴ます。数百の鳥の鳴き声を真似することができ、鳴きまねは犬の鳴き声、ピアノの音や車のクラクションまでまねることができる器用な鳥です。

アメリカの州鳥 その25 ジョージアの州鳥 チャイロツグミモドキ

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大西洋に面したジョージア州(Georgia)。南はフロリダ州(Florida)、東は大西洋とサウスカロライナ州(South Carolina)、北はノースカロライナ州(North Carolina)とテネシー州(Tennessee)、西はアラバマ州(Alabama)に接しています。州都で最大の都市はアトランタ(Atlanta)です。コカコーラやCNN、デルタ航空(Delta Air Lines)、保険会社アフラック(Aflac)の本社などがあります。

私がアメリカ留学のために家族と一緒に出かけ、英語の研修を2か月受けたのがジョージア州のステイトボロ(Sateboro)という小さな街です。そのせいもあってか、私の英語には南部訛りがあるといわれます。ジョージア訛りというのは、母音を引っ張っり鼻にかかった感じでやわらかく発音するのです。この発音は「draw」と呼ばれます。

「風と共に去りぬ」(Gone with the Wind)を書いたマーガレット・ミッチェル(Margaret Mitchell)の博物館(The Margaret Mitchell House)がアトランタのダウンタウンにあります。マーチン・ルーサー・キング牧師が説教していたエベネゼル・バプティスト教会(Ebenethel Baptist Churchi)、そして氏の功績を称えるThe King Center博物館は必ず立ち寄るべきところです。マスターズ・トーナメントのゴルフ大会が開かれるのがオーガスタ(Augusta)です。スイカ、メロンなどの果物が多いのです。特に桃やは有名なので「桃の州」(Peach State)と呼ばれています。西瓜はラクビーボールのような形をしていて、トラックで売りにきます。

Brown Thrasher

州の鳥はチャイロツグミモドキ(Brown Thrasher)となっています。体全体が茶褐色で目の周りは黄色です。さえずりが得意です。庭の餌箱にやってくる人なつっこいところがあります。嘴は少し丸まっています。春や夏になると、オスはしばしば高い木にとまり、さえずりを始めます。鳴き声の種類は1100にも及ぶとのこと、メスを呼ぶのです。自分の巣を守るために、ときに人や犬を襲うこともあります。オスとメスとで交互に抱卵し、雛に餌を与えます。

アメリカの州鳥 その24 サウスダコタの州鳥: コウライキジ

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サウスダコタ州(South Dakota)の州都はピーア(Pierre)。州で最も大きな都市はスーフォールズ(Sioux Falls)となっています。サウスダコタ州は農業と畜産が主要な産業です。五大品目として牛、トウモロコシ、大豆、小麦、そして豚が有名です。州名のダコタはスー族(Sioux )の言葉(仲間)から由来します。

州の南部にBlack Hillsという丘陵地帯があります。背丈の低い松で覆われています。スー族の領土であり儀式の聖地として崇められている地域です。そこは国立公園となっています。この丘陵地帯にあるのがマウント・ラッシュモア(Mount Rushmore)で、多くの観光客がやってきます。山の岩盤に歴代4人の大統領の顔が彫られています。左からジョージ・ワシントン(George Washington)、トマス・ジェファソン(Thomas Jefferson)、セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)、アブラハム・リンカン(Abraham Lincoln)です。

Ring-Necked Pheasant

州鳥のコウライキジ(Ring-Necked Pheasant)のオスは、青緑の頭、顔の赤い肉垂(にくだれ)、独特の白い首まわりの輪などで鮮やかな色合いの鳥です。他方、メスはかなり地味な黄色がかった茶色で、長く尖った尾を持っています。コウライキジのオスは10羽程度のメスとのハーレム(Halem)を作り、秋に群れをつくり翌年の春まで群れで生活します。

コウライキジは低木の多い野原や農地を好みますが、森林地の藪や湿地にも生息します。メスは野原や生息地の縁に巣を作り、12個以上の卵を産み、オスの助けなしで卵を孵化させます。穀物や種子、昆虫、小動物といったエサがあるのが地面なので、地上で生活します。

アメリカの州鳥 その23 サウスカロライナ州の鳥: チャバラマユミソサザイ

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サウスカロライナ州(South Carolina)は、北部でノースカロライナ州(North Carolina)、南部と西部でサバンナ川(Savannah River)を境に位置するジョージア州(Georgia)、及び東部で大西洋と接しています。ローカントリー(Lowcountry)と呼ばれる海岸線地帯の土地の肥沃さとチャールストン(Charleston)など良港があることで繁栄します。西のブルーリッジ山脈(Blue Ridge Mountains)から東の大西洋まで、さまざまな地形が見られます。州都は最大の都市であるコロンビア(Columbia)となっています。一年中温暖な気候が続くことで知られています。

1629年にイングランド王チャールズ一世(King Charles I)がカロライナを植民地とします。1729年にはノースカロライナとサウスカロライナが分離します。独立戦争を経て他の州と共に独立し、奴隷制による綿花のプランテーション(Plantation)によって大いに繁栄します。やがて、1860年に奴隷制廃止論者であったリンカーン(Abraham Lincoln)が大統領になるとサウスカロライナは合衆国から離脱し、1861年には脱退した他の南部諸州と共にアメリカ南部連合(Confederate States of America)を結成します。そしてアメリカ南北戦争(Civil War) の発端となったのが、北軍の駐屯するチャールストン港のサムター要塞(Fort Sumter)への南軍の砲撃です。

1865年にシャーマン将軍(William Sherman)率いる北軍の侵攻により、ジョージア州アトランタ(Atlanta)が焼き払われ、南部経済は壊滅して南北戦争の終結が早まります。マーガレット・ミッチェル(Margaret M. Mitchelll)の小説「風と共に去りぬ」(Gone with the Wind)はこの南北戦争が舞台です。サウスカロライナ州は長い植民地時代を残す歴史があります。例えば、チャールストンは「聖なる市」(The Holy City)ともいわれます。高い尖塔を有する教会が街の景観を形成しています。13の植民地の中で、カトリック、プロテスタントを問わずユダヤ教を認めるという信教に対する寛容さを示した都市の一つがチャールストンです。

Carolina Wren

州の鳥はチャバラマユミソサザイ(Carolina Wren)といいます。順応性の高い鳥で、森林や沼地、農地、木々に囲まれた住宅地などに生息します。体は小さいのですがとても大きな声でさえずり、鳥類の中で最も声の大きい鳥の一種となっています。チャバラマユミソサザイは、通常つがいで暮らしており、年間を通じて縄張りから離れることはありません。この鳥は寒い冬の気候には耐えられないので、サウスカロライナやジョージアの温暖な地域に生息しています。昆虫や幼虫やクモを主食としますが、ベリー類や果実も食べます。

アメリカの州鳥 その22 コロラド州の鳥: カタジロクロシトド

Last Updated on 2025年1月4日 by 成田滋

小さいとき、「コロラドの月(Moonlight on the Colorado)」というアメリカの歌曲をしばしば聞いたことがあります。進駐軍の放送から聞こえたきたものです。コロラド(Colorado)は山岳地帯の州です。南北にロッキー山脈(Rokkie Mountains)が貫き、州全体の平均標高が合衆国で一番高いところです。州の東側は大平原(Great Plaines)が広がります。州都であり最大の都市はデンバー(Denver)です。

デンバーは標高が約1マイル(約1,600m)なので、マイル・ハイ・シティー(Mile High City)の愛称で呼ばれています。 デンバー市内には多くの日系人が住んでいます。その数、約1万4千人。 「ロッキーマウンテン時報」という日本語の新聞が2007年まで発行されていたのもうなずけます。

合衆国の中で、この州は大変住み心地が良いとされています。国防総省の巨大な軍事施設や関連産業によってもたらされる経済効果です。空軍士官学校 (Air Force Academy)や共同防衛組織があります。ロッキーの山中には、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace Defense Command: NORAD)や軍事衛星による監視や弾道ミサイル防衛を担う戦略基地が掘られています。

Lark Bunting

州鳥はカタジロクロシトド(Lark Bunting)といいます。カタジロクロシトドの特徴ですが、繁殖期のオスの羽衣は主に黒色で翼には白班があります。メスは褐色の縦縞模様があって、翼には薄い箇所があります。地上で採食し、夏には昆虫を採食し、冬になると種子を食べます。繁殖期以外には群れを作ります。カタジロクロシトドは集団で繁殖し、メスは巣作りや抱卵をします。カタジロクロシトドの繁殖・子育ては,オスがメスを誘うための縄張りを草原につくるところから始まります。オスは縄張りを訪れたメスとつがいとなって繁殖します。

アメリカの州鳥 その21 コネチカット州の鳥: コマツグミ

Last Updated on 2025年1月4日 by 成田滋

私はかつて、コネチカット(Conecticut)の州都ハートフォード(Hartford)で開かれた教育とテクノロジーの学会で研究発表したことがあります。コネチカットとはなんともいえない響きの州名です。この州の車のナンバープレートには「Constitution State」とあります。最初の憲法の基となった宣言文を作った州の歴史に由来します。合衆国の北東部、北大西洋岸は、以前紹介しましたが、ニュー・イングランド(New England)と呼ばれています。このあたりには小さな州がいくつかあります。その内の一つがコネチカット州です。東にはロードアイランド州(Rhode Island)、北にはマサチューセッツ州(Massachusette)、西にはニューヨーク州(New York)と隣接しています。

面積としては小さな州ですが、農業はもとより酪農、漁業、製造業も盛んな州です。ロブスターや貝も知られています。ジェット機エンジン、ヘリコプターや航空機の部品、素材産業、原子力潜水艦の建造と関連の軍事産業、精密機械、化学薬品の製造が盛んです。企業ではスポーツ放送のESPN、ボーイング(Boeing)とエアバス(Airbus)のエンジンを開発するゼネラル・エレクトリック(GE)、ゼロックス(Xerox)、シコルスキーヘリコプター(Sikorsky)の本社などがあります。

Robin

州鳥はコマツグミ(Robin)です。コマツグミの卵は美しい青色で、トルコ石にも例えられています。コマツグミは胸部が鮮やかなオレンジ色で、頭部から翼にかけては灰色~黒色をしています。くちばしが黄色で眼の上下に白い縁取りがあるのも特徴です。オスは頭部がはっきりと黒く、のどまで黒くなっています。なんとなく強そうな印象を受けます。メスは頭部の色がオスに比べやや薄く、のどが白っぽいです。主食はミミズで、よく芝生の上などの地面を歩いてこれを狙っています。つぶらなひとみと丸っこいオレンジ色のボディで見間違えることはありません。

アメリカの州鳥 その20 ケンタッキー州の鳥: ショウジョウコウカンチョウ

Last Updated on 2025年1月4日 by 成田滋

ケンタッキー州(Kentucky)はイリノイ(Illinois)、インディアナ(Indiana)、オハイオ(Ohio)、ミズリー州(Missouri)に囲まれ、オハイオ川(Ohio River)とミシシッピー川(Mississippi River)で州境をなしています。東側にはアパラチア山脈(Appaachian Mountains) がそびえ、豊かな自然に恵まれています。この州は「ブルーグラスの州(Bluegrass State)」と呼ばれ、肥沃な土壌からの多くの農産物がとれます。州都はフランクフォート(Frankfort)。最大の都市はルイビル(Louisville)となっています。

ケンタッキー州といえば、スティブン・フォスター(Stephen Foster)が作詞作曲した「ケンタッキーの我が家」(My Old Ketucky Home)を想い出します。50代以上の人なら誰もが聞き口ずさんだことのある哀愁味漂う曲です。ケンタッキーは馬の生産地でも知られています。ケンタッキー・ダービー(Kentucky Derby)が開かれるのがこの地です。バーボン・ウィスキー(bourbon whisky)の一大生産地でもあります。「バーボン」であるという条件はトウモロコシから作られていること、ケンタッキー州で作られていることなんだそうです。日本で同じようなウィスキーを作ってもバーボンと銘打ってはいけないのです。その他タバコの生産も盛んです。ケンタッキーには自動車産業も盛んです。フォード(Ford)、GM、トヨタの工場があります。トヨタはアメリカで最もポピュラーな車「カムリ(Camry)」をここで組み立てています。

ケンタッキーの州鳥はショウジョウコウカンチョウ(Cardinal)です。オスもメスとも特徴的なとがった冠羽があります。オスの頭と下面は深い朱色です。背はにぷい朱色で羽縁がオリーブ色がかった灰色です。尾が長く、嘴の付け根付近が黒色です。実に美しい姿の鳥です。留鳥なので一年中見られます。インディアナ、イリノイ、オハイオ、ウエストバージニア各州の州鳥であることは既に紹介しています。

Cardinal

ケンタッキー州の車のナンバープレートには「Bluegrass State」とあります。草原を遠くから眺めると青紫色の草のつぼみが一面広がり、「青い草」に見えたので名付けられたとあります。この草は競走馬の餌となるようです。ブルーグラス・ミュージック(Bluegrass Music)の由来ともなっています。ケンタッキー州やテネシー州を通るときは是非Bluegrassのライブを楽しんで欲しいです。

アメリカの州鳥 その19 カンザス州の鳥: ニシマキバドリ

Last Updated on 2025年1月4日 by 成田滋

合衆国の車のナンバープレートのデザインはその州を表します。州によってデザインが違い、カラフルなのがいいところです。私も蒐集の趣味で60枚以上のナンバープレートを持っています。カンザス州(Kansas) のは小麦の穂が配置されています。カンザス州は地図を見ますと合衆国の「へそ」にあります。北側はネブラスカ州(Nebraska) 、東側はミズーリ州(Missouri)、南側はオクラホマ州(Oklahoma)、そして西側はコロラド州(Colorado)となっています。州都はトピカ市 (Topeka)、州最大の町はウィチタ市 (Wichita)です。カンザス・シティ (Kansas City)もミズリー川沿いにある活気のある町です。

アメリカの「大平原」(great plains) というのは、この州がもっとも当てはまるのではないかと思えるくらいの景色が広がります。平原をさす単語に「prairies」というのもあります。大平原はまさに一大穀倉地帯です。平坦でときになだらかに起伏しているのですが、農業生産品は牛、豚や羊、小麦、トウモロコシ、ひまわり種、大豆、綿、及び塩となっています。カンザスに行ったらステーキ(Steak)やシシカバー(Shish Kebab)を忘れずに、といわれます。分厚い肉はまさに草履のように大きいです。

Western Meadowlark

カンザス州の鳥の話題です。ニシマキバドリ(Western Meadowlark)が州鳥となっています。Meadowとは平原、Larkとはヒバリの意味です。下腹部は黄色で、胸には黒のV字形の模様が入っています。背中は褐色で同じく黒い縞がついています。嘴は長めで、昆虫や種、ベリー類を食しています。托卵の習性をもつニシマキバドリもいます。

アメリカの州鳥 その18 カリフォルニア州の鳥:カンムリウズラ

Last Updated on 2025年1月4日 by 成田滋

日本人に最も馴染みのあるカリフォルニア州(California)は南北に長い形をしていて、北はオレゴン州(Oregon)に東はネバダ州(Nevada)とアリゾナ州(Arizona)に、最南端のサンディエゴ(SanDiego)からはメキシコ(Mexico)と国境を接しています。長い海岸線や高低差によって、海岸と内陸ではかなり気温や気候が異なります。この気候は地中海性気候といわれています。降雨量が少ないのと急激に人口が増えたために水資源の不足がしばしば取り上げられています。

州都はサクラメント(Sacramento)です。ブドウ畑が広がるナパ・バレー(Napa Valley)から東へ向かうとサクラメントに着きます。西部開拓時代の街角のOld Townは保存されていて当時の開拓時代の気分を味わえます。カリフォルニアの車のプレートには「The Golden State」とあります。西部開拓時代のゴールド・ラッシュに由来しているようです。スタンフォード大学(Stanford University)、カリフォルニア工科大学( California Institute of Technology)など世界のトップをいく研究中心の大学は知られるところです。産業や経済、科学技術などなんでも全米一、世界一を誇りたくなるような雰囲気がこの州にはあります。

California Quail

州鳥のカンムリウズラ(California Quail)は、キジの仲間で、頭に美しい冠羽(plume)が特徴です。羽毛の色は黒から灰色です。頭部に飾り羽があります。メスは飾り羽が小さく、顔が淡褐色をしてます。森林や草地、乾燥した荒地などに生息し、小規模の群れ (covey)で生活します。人をあまり恐れないのでしばしば見かけるといわれます。普段は歩いたり走ったりしています。毎日の活動は砂浴び(dust bath)で柔らかい土を下腹をゆすって砂かけをします。低い枝上にねぐらをとり、種子・緑色植物・昆虫などを地上でとります。

アメリカの州鳥 その17 オレゴン州の鳥:ニシマキバドリ

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オレゴン州(Oregon)は大西洋岸北西部に位置し、森林、山々、農場が広がる州です。州都はセーラム(Salem)で最大の都市はポートランド(Portland)となっています。ポートランドは札幌市とほぼ同じ緯度にあり、姉妹都市関係を結んでいます。肥沃な農地を抱え、周辺の農産物が集まるところでもあります。明治から大正時代に多くの日本人が移民として移住した州でもあります。移民した日本人は過酷な林業や漁業に従事します。

ポートランドのダウンタウンですが、コロンビア川(Columbia River)の支流ウィラメット川 (Willamette River) の川岸は公園となっています。その一角に日本人移民の歴史公園があります。そこに移民の足跡を記すレリーフが立っています。レリーフには、農業と漁業で生計をたてながら子どもを教育する姿、アメリカに同化しようとした努力、大戦中の収容所での苦しい生活、そしてアメリカ人の差別に対する謝罪の言葉などが彫られています。ある学会でポートランドへ出かけたとき、家庭内暴力(DV)で苦しむ子どもが学ぶ学校へ案内されました。

オレゴント街道(Oregon Trail)は、開拓者が通った主要道の一つで、幌馬車に乗っって街道を経て東部から多くの入植者がやってきました。1980年のセント・ヘレナ山(Mt. St. Helena)の噴火も知られています。

Western Meadowlark

州の鳥はニシマキバドリ(Western Meadowlark)といいます。Meadowとは牧草地のことで、Larkとはヒバリのことです。Meadowlarkは牧草地などでみられるヒバリの様な鳥を指しています。背面の模様はヒバリに似ています。胸部は鮮やかな黄色をしているので他の鳥と見間違うことは少ないようです。体長は20cm位で、草原に巣を作ります。昆虫の他に植物の種やベリー類も食べます。

アメリカの州鳥 その16 オハイオ州の鳥:ショウジョウコウカンチョウ

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合衆国中西部の州の一つオハイオ州(Ohio)は、北はミシガン州(Michigan)とエリー湖(Lake Erie)、東はペンシルベニア州(Pensilvania)、南はケンタッキー州(Kentucky)とウェストバージニア州(West Virginia)、西はインディアナ州(Indiana)に接しています。州都で最大都市はコロンバス(Columbus)です。3 大都市のクリーブランド(Cleveland)、シンシナティ(Cincinnati)、コロンバスは芸術、文化、教育、音楽、スポーツなどの中心都市です。

オハイオ州は「大統領の母」(Mother State of Presidents)というニックネームがあり、州内で生まれた7人の大統領を送り出してきました。7人共に共和党員(Republican)です。合衆国内で最大のアーミッシュ(Amish)の共同体があることでも知られています。オハイオ州は別名「バッカイヤ州」(Buckeye)と呼ばれています。Buckeyeとは州の木のことです。針葉樹の一種で、なんとなく木の形といい大きさといい、北海道に多いカシワに似たところがあります。ドングリも秋になると沢山落ちます。

Northern Cardinal

オハイオ州の鳥、ショウジョウコウカンチョウ(Northern Cardinal)は通称「カーディナル」(Cardinal)と呼ばれています。この鳥になんども紹介してきました。一生を同じペアで過ごすようなので、渡り鳥ではありませんが、寒くなるともっと雪が少なくて餌がある地域に移動するようです。鮮やかな赤のショウジョウコウカンチョウはバードウォッチング初心者でも簡単に見分けられ、人家の裏庭やエサ箱にもよくやってくる鳥です。さえずりが得意な鳥には珍しく、オスとメスのどちらもよく鳴きます。深紅の羽毛を持つオスはメスにとって魅力的です。ショウジョウコウカンチョウはかなり社交的な鳥で、ほかの種類の鳥がいる群れにも参加することがあるといわれます。

アメリカの州鳥 その15 オクラホマ州の鳥:エンビタイランチョウ

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オクラホマ州(Oklahoma)アメリカのほぼ中央に位置しているというだけでなく、西部開拓時代の歴史、アメリカ先住民文化、真の南部の魅力が見事に融合しているところです。州の北はコロラド州(Colorado)とカンザス州(Kansas)に接し、東はミズーリ州(Missouri)とアーカンソー州(Arkansas)、西はニューメキシコ州(New Mexico)、南はテキサス州(Texas)に接しています。州都および最大都市はオクラホマ市です。

オクラホマ州はアメリカでアメリカ先住民の人口が最も多い州で、39の部族がこの州に本部を置いています。オクラホマ州は天然ガス、石油および農業の生産高が高く、また航空機、エネルギー、通信およびバイオテクノロジーに経済の基盤があります。天然ガスの生産では国内第2位、50州の中で農業生産では第27位、コムギに限っては第5位となっています。

観光ですが、西部開拓時代の博物館とカントリー音楽で知られています。南部のビーガン(Vegan)であるコンフォートフード(Comfort food)とルート66 (Route 66)の名残が共存するオクラホマ州には複数の文化が混ざり合っており、その姿は実にアメリカ的です。

Tyrant Flycatchers

オクラホマ州の鳥です。エンビタイランチョウ(Tyrant Flycatchers)は、北中南米に生息するタイランチョウの仲間です。タイランチョウの仲間は、旧大陸のヒタキ科に近い習性や食性のグループです。エンビタイランチョウですが、和名の通り、「燕尾」のように長い尾が特徴です。尾を二つに広げて飛びます。嘴は短くて幅が広く,先端が鋭く曲がっています。多くの種は昆虫食で,留まった枝などから空中に豪快に飛び出して昆虫類を捕え,元の枝に戻って食べます。それ故、「Tyrant Flycatchers」と呼ばれています。育雛はオスとメスがともに行います。