Last Updated on 2025年3月30日 by 成田滋
典礼的教会(Liturgy church)は、礼拝の普遍性を重んじます。カトリック(Catholic)とは「あまねく」という意味ですから。従って礼拝は公式行事の中心となります。教会は、個々人の信仰を包みつつ、個人の信仰をいわば「止揚」するという考え方に立ます。祈祷、賛美の言葉は思いつきで行ってはならないのです。それらは式文や成文として礼拝式に包含されるのです。
ローマ式典礼には、長い間ラテン語(Latin)が用いられました。ラテン語は西洋文明の古典の根幹にありました。学問の世界でもそうです。従ってラテン語が礼拝で使われていたのは、教会の普遍性を示していたといえます。ローマ教会のミサ(mass)、東方教会の聖体礼儀(divine liturgy)、ルター派の聖餐式(sacrament)、英国国教会の早祷(Matins)、晩祷(Vesper)などの儀式の音楽は式文によって進められます。そこで使われるのは云うまでもなく典礼音楽のことです。
詩篇(Psalm)、賛歌(Praise)、聖体降福式(Benediction)における聖歌、英国国教会のアンセム(anthem)やルター派のカンタータ(cantata)等は聖歌隊の分担となります。こうした音楽も会衆に理解し、歌えるような曲が用いられるのが普通です。