手書き その17 漢字を覚える方略–のぎへん

国語辞典と広辞苑を長く使っているが、いずれも岩波から出版されている。なぜか昔から信頼が置ける出版社という観念がある。大学で使った参考書などずいぶんお世話になった。新書も充実している。「広島ノート」、「憲法とはなにか」など忘れられない。

「のぎへん」である。穀物の総称とか代表して使われたとある。後々、稲を意味するようになった。

家の近くにある和食堂の名前が「穣」。毎日のように通りすがるので漢字を覚えて書けるようになった。「豊穣」という熟語は米のなり具合を農民が喜ぶ様を示すようだ。画数も多いが大事な漢字だ。

「私」とか「和」は画数が少ない。「禿」とくると少々辛い気分だ。

穀物を意味するだけあって、「租」、「税」という漢字も関連している。「租」はもともと「みつぎ」という意味である。米で年貢を払っていた。土地の大小、年貢の量などは日本の封建制度を支えていた石高と関連している。玄米の収穫量のことが石高。

「稽古」という熟語は穀物と関連はないようだ。「稽」という漢字を調べると、「考える」、「比較する」という意味もある。「とどこおる」ともあって少々驚く。毎日囲碁の稽古に余念がないのだが、上達への「径」は厳しいものがある。

穀物に戻るが、今春は稀代の大雪が見舞ったので水は十分だと思うが、、穏やかな秋になって稲穂が垂れるのをみたい。

Farmers harvest a corn field on July 23, 146-1_l