心に残る名曲  その百十九 グリンカ 「ルスランとリュドミラ」

グリンカ(Mikhail Ivanovich Glinka)は、国外で広い名声を得た最初のウクライナ系(Ukrain)ロシア人作曲家といわれます。「近代ロシア音楽の父」とか「ロシア国民音楽の父」と呼ばれています。ロシアの民族的基盤に立った音楽の創造を提唱し,チャイコフスキー(P. Tchaikovsky)に深い影響を与えたといわれています。

 グリンカは富裕な貴族で地主の家庭に第生まれ、子ども時代から音楽に興味を持っていたようです。少年のころに体験したナポレオンとの祖国戦争とロシア社会の近代化のための農奴解放令が、彼に民族意識を植えつけていきます。民謡に接することにより、成長してからの彼の音楽に影響を与えたといわれます。

1830年イタリアに行き,オペラの作曲家ドニゼッティ(Gaetano Donizetti)などから音楽理論を学びます。帰国後,ロシア国民音楽の創造に全力を注ぎ,1836年にオペラ「イワン・スサーニン」(Ivan Susanin)を作曲します。ロマノフ王朝の祖、皇帝ミハイル・ロマノフ(Mikhail Feodorovich Romanov)をポーランドの干渉軍から守るため、農夫のイヴァン・スサーニンが自身を犠牲にするという伝説的なエピソードを描いたものです。

1842年にはプーシキン (Sergei Pushkin)の叙事詩によるオペラ第2作「ルスランとリュドミラ」(Ruslan and Ludmilla)を作曲します。全5幕8場から成るオペラです。キエフ(Kiev)大公国大公の娘・リュドミラ姫と騎士・ルスランの婚礼の宴席の途中、魔術師が現われ、リュドミラをさらっていきます。大公は、ルスラン、およびその場にいた姫に恋している若者らに、娘を無事に取り戻した者に娘を与えると宣言するという筋書きです。流れるような旋律が聴衆の記憶に容易に残るような序曲です。

[contact-form][contact-field label=’お名前’ type=’name’ required=’1’/][contact-field label=’メールアドレス’ type=’email’ required=’1’/][contact-field label=’コメントを歓迎しています’ type=’textarea’ required=’1’/][/contact-form]