アドベント・クリスマス その14 ”Lo, How a Rose E’er Blooming”

日本語題名は「エッサイの根より」と付けられている賛美歌です。古くからカトリック教会で歌われてきました。詩も曲も15世紀頃からドイツのライン(Rhine)地方に伝わるキャロル(Carol)がもとになっています。もともとは、23節から成るマリアの賛歌で、降臨節の期間に歌われます。

古代イスラエル王国第2代王ダビデ(David)の父がエッサイ(Jesse)といわれます。その出典箇所は旧約聖書(Old Testament)の中の有名な預言書イザヤ書です。その11章1節には、「エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ」とあります。ユダ族のダビデの子孫からキリストが生まれることを示唆しているのです。そのことはマタイによる福音書(Gospel of Matthew)の冒頭に「アブラハムの子孫、ダビデの子孫、イエス・キリストの系図」と記述されています。キリストの系図がダビデを通じエッサイに由来することを語るのです。

時代は下り19世紀以降、この曲はプロテスタントの讃美歌に収録されるようになります。2番目の歌詞ではマリヤから幼児イエスが生まれることに置き換えられています。こうしてドイツから英米にも伝わり世界的なアドベントの歌になります。

歌詞の冒頭にある”Lo”は古英語で 「見よ」 といった驚きを表す単語である。”Behold”という単語にあたります。歌詞を翻訳すると「ご覧ください、薔薇はいつも咲いていますよ」となります。
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 エッサイの根より 生いいでたる、
  預言によりて 伝えられし
   薔薇は咲きぬ。
  静かに寒き 冬の夜に。

Lo, how a Rose e’er blooming from tender stem hath sprung!
 Of Jesse’s lineage coming, as men of old have sung.
  It came, a floweret bright, amid the cold of winter,
 When half spent was the night.

Isaiah ‘twas foretold it, the Rose I have in mind;
 Mary we behold it, the Virgin Mother kind.
  To show God’s love aright, she bore to us a Savior,
 When half spent was the night.

クリスマス・アドベント その10 預言者イザヤという名前

1977年に国際ロータリー財団より奨学金をいただき、ウィスコンシン大学に留学したときのスポンサーがロバート・ジェイコブ(Dr. Robert Jacob)という医師でした。日本語読みではさしずめヤコブ氏となります。長年ミルウオーキー(Milwaukee)の郊外で開業していました。専門は脚の整形外科。熱心なユダヤ教徒でありました。いつも住まいの側にあるシナゴーグ(Synagogue)で長老(Elder)として活躍されていました。次女がウィスコンシン大学の看護学部を卒業したとき開いたパーティに奥様とご一緒に参加してくださいました。残念なことに数年前に召されました。

これまでMrs. Jacobからは、ご子息らの成人の儀式、バー・ミツヴァ(Bar Mitzvah)の案内、9月には新年ロシュ・ハシャナ(Rosh Hashana)の祝いを頂戴しています。一度、ジェイコブ氏に連れられてシナゴーグ(synagogue)を見学させていただいたことがあります。シナゴーグとはユダヤ教の会堂のことです。キリスト教の教会の前身といえます。礼拝はもちろん祈りの場であり、結婚や教育の場、さらに文化行事などを行うユダヤ人コミュニティの中心的存在となっています。もともとは聖書の朗読と解説を行う集会所でありました。会堂に入るときは、男子はキッパ(kippa)とかヤマカ(yarmulke)と呼ばれる帽子を頭に載せることになっています。

ユダヤ教徒はタルムード(Talmud)と呼ばれる教典を学び行動するように教えられます。タルムードは生活や信仰の基となっています。家庭では父親の存在が重要とされます。率先して子どもに勉強させタルムードなどを教えます。子どもを立派なユダヤ人に育てたものは、永遠の魂を得ると信じられています。

アドベント・クリスマス その14 ”Lo, How a Rose E’er Blooming”

日本語題名は「エッサイの根より」と付けられている賛美歌である。古くからカトリック教会で歌われた。詩も曲も15世紀頃からドイツのライン(Rhine)地方に伝わるキャロルがもとになっている。もともとは、23節から成るマリア賛歌であった。 待降節の期間に歌われる。

古代イスラエル(Ancient Israel)王国第2代王ダビデ(David)の父がエッサイ(Jesse)とわれる。その出典箇所は有名な預言書イザヤ書である。この11章1節には、「エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ」とある。ユダ族のダビデの子孫からキリストが出ることを教えている。そのことはマタイによる福音書(Gospel of Matthew)の冒頭には「アブラハムの子孫、ダビデの子孫、イエス・キリストの系図」が書かれてある。キリストの系図がダビデを通じエッサイに由来することを語っている。

時代は下り19世紀以降、プロテスタントの歌集に収録されるようになった。二番目の歌詞ではマリヤから幼児イエスが生まれることに置き換えられている。ドイツから英米にも伝わり世界的なアドベントの歌になった。

歌詞の冒頭にある”Lo”は古英語で「見よ」といった驚きを表す単語である。”Behold”という単語にあたる。
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エッサイの根より 生いいでたる、
預言によりて 伝えられし
薔薇は咲きぬ。
静かに寒き 冬の夜に。

Lo, how a Rose e’er blooming from tender stem hath sprung!
Of Jesse’s lineage coming, as men of old have sung.
It came, a floweret bright, amid the cold of winter,
When half spent was the night.

Isaiah ‘twas foretold it, the Rose I have in mind;
Mary we behold it, the Virgin Mother kind.
To show God’s love aright, she bore to us a Savior,
When half spent was the night.