心に残る名曲 その四十七 「Sheep May Safely Graze」

このバッ(J.S. Bach)の作品は、「心に残る名曲 その十七」でも取り上げました。「楽しき狩りこそわが悦び BWV208」の中の一曲がこの作品で、英語のタイトルとして「Sheep May Safely Graze」とつけられ”羊は憩いて草を食み”と訳されています。もともとこの曲の作詞家はSalomon Franckによって書かれました。ソプラノが詠唱(aria)したり、オーケストラでも演奏されたりします。「Graze」とは味わい深い単語です。

「Jesu, Joy of Man’s Desiring BWV 147」と同様に結婚式などの祝いの宴で使われます。もとはヴァイセンフェルス公であるクリスティアン(Christian von Sachsen-Weissenfels)の誕生を祝う曲としてバッハは作曲したといわれます。

ヨーロッパの文化に羊はすっかり溶け込んだ家畜です。その出典とは旧訳聖書詩編 23:1(Psalm)にあります。ダビデの賛歌といわれ、「主は私を緑の牧場に伏させ、いこいの水のほとりに伴われる」と記されます。​主は羊飼い、イスラエル​人​は​​羊​の​群れということです。ヨハネによる福音書10:11には、「わたしはよい羊飼である。よい羊飼は、羊のために命を捨てる 」とあります。