アメリカ合衆国とニックネームの由来 その48 The Evergreen State

ワシントン(The State of Washington)の州都はオリンピア(Olympia)。最大の都市はシアトル(Seattle)です。ワシントン州は、モミ(Douglas fir)、松(ponderosa)とか白松、トウヒ(spruce)、ヒマラヤ杉(cedar)など豊かな木材資源に恵まれています。ニックネームの「 The Evergreen State」は州議会で公式に承認されている名前ではありませんが、州の特色を的確に表しています。

日本から多くの移民が渡ったのがワシントン州です。1869年に旧会津藩の武士らがサンフランシスコ(San Francisco) に渡ったのをきっかけに西海岸への移住が始まったと記されています。シアトル(Seattle)、タコマ(Tacoma)両市への移民は1890年代から増え続け、1895年にはタコマ領事館が誕生します。広島、山口、熊本、鹿児島など各県からの移民たちは製材所や鉄道、農場,漁業、森林業など、過酷な労働に従事します。

当時は、人種差別が根深く広まっていた頃です。「ヒマラヤ杉に降る雪」(Snow Falling on Cedars)という小説が1995年に作られます。作家はデヴィッド・グターソン(David Guterson)。その内容ですが1954年の冬、日系アメリカ人漁師のカズオは同僚を殺害した第一級殺人容疑で罪に問われます。地元新聞記者は、カズオの容疑を晴らす可能性の高い証拠をつかみます。彼自身は、幼馴染でカズオの妻であるハツエとの過去の恋愛関係に対する感傷を抱いています。さらに日系アメリカ人への厳しい偏見と第二次大戦という時代背景によって、新聞記者は得た証拠をどのように扱うべきかを苦しみます。「Snow Falling on Cedars」は1995年のフォークナ(William Faulkner)賞受賞作品です。