車社会の風景 その五 子供の安全とスクールバス

日本では子供の多くは歩いて学校に行きます。全校生徒が歩いて通学というの日本だけかもしれません。子供だけで登下校ができる日本の治安の良さは、外国人には驚きです。もっとも交差点などには親が順番で旗振りなどをしなければなりませんが。

北米、ここではアメリカとカナダでは、徒歩通学の生徒もいますが、スクールバスの利用者が一番多くなっています。北米では、地下鉄やバスが発達している地域に住んでいたとしても、子供が1人で交通機関を利用して通学することはできません。12歳以下の子供は、必ず保護者同伴という決まりがあります。

北米のスクールバスは通学や郊外活動の際に生徒を乗せることを目的として設計・生産されたバス車両のことをいいます。「夕暮れや早朝でも最も見やすく、車体のレタリングとの対比も容易な色」として黄色が選ばれました。「スクールバス・イエロー」として北米スクールバスの標準色となっています。

ちなみに米国内の約40%の校区は、スクールバスを代理運行する民間会社のスクールバス・コントラクター(School bus contractor)に運行委託しています。スクールバスは通学下校だけでなく、遠足や音楽会、対外試合などの運送でも使われます。

アメリカ連邦政府はスクールバスに関する多数の安全規定として「スクールバスのための連邦自動車安全規格 (Federal Motor Vehicle Safety Standards) を設けています。これにより、スクールバスの設計が見直されることとなりました。その最たるものでは、車体の板金を衝突安全性を考えてより丈夫なものとすることや、背もたれを高くし詰め物を増やすという改良がなされます。万一の衝突の際の衝撃を減らすためです。