「アルファ碁」(AlphaGo) その七 英語の囲碁用語

チェス(chess)からきた用語を囲碁でも使います。例えば、チェック (check) があります。自分の駒を利かせて取ろうとする手のことです。囲碁では「アタリ」にあたります。

「打って返し」という技があります。これは「snap back」といいます。打って返しとは、駄目が詰まってしまい、逆に即とられることをいいます。こんなポカをしてはいけません。ちなみにポカの英語は「blunter」といいます。もともと「鈍い」という単語がからきています。

何度も出てきた「定石」のフレーズは 「a set of sequence」。両者が最善を尽くして打ってできる形、という用語が sequenceです。取れた石、「アゲハマ」の単語は「prisoner」。文字通り捕虜です。終局なると、「アゲハマ」を相手の陣地に埋めて小さくすることができます。「アゲハマ」を沢山持つと有利です。囲碁には「味」とか「味悪」という用語があります。相手を攻める余地がある、あるいは攻められそうな余地があることです。「味」は英語で「potential」、「味悪」は「bad potential」といいます。なにか危険な兆候があるという意味です。

「ナダレ」という戦術があります。これは、盤上の中央を重視し相手の石を隅に封じ込める定石です。これを英語では「small avalanche」大ナダレ、とか「large avalanche」小ナダレと呼びます。ところで「avalanche」とは雪崩のことです。中央を重視する戦術は宇宙流といわれますが、中央をまとめるのはとても難しいことではあります。

「アルファ碁」(AlphaGo) その五 囲碁とチェス

囲碁は世界中で楽しまれています。最近はヨーロッパでも盛んになっています。チェス (chess) が広まっている欧米では囲碁の普及はさほど障壁とはならないようです。というのも、チェスは「スポーツ」とか「芸術」、「科学」と呼ばれることもあります。囲碁も頭のスポーツであり芸術であります。

囲碁とチェスはどう違うかです。囲碁は黒と白の石だけであり、種石となったり捨て石となったりして固定した役割はありません。他方チェスや将棋は駒にそれぞれの役割があり、それは変わりません。

両者が類似する点の一つに中央志向があります。盤面の中央を支配することによって陣地が広がるのです。地よりも中央での展開を重視した大模様作戦は、「宇宙流」と呼ばれます。この独特の感覚からの打ち方を編み出したのが武宮正樹九段です。

「大局観」または戦略(Strategy) とは、局面を正しく評価すること、長期的な視野に立って計画を立てて戦うことでです。「手筋」または戦術(Tactics)とは、より短期的な数手程度の作戦のことで、優位に立とうする打ち方です。

囲碁では原則的にどこへ石を置いても構いません。もちろん石を働かせるためや地を確保するためには、石を打つ箇所が決まってきます。高段者は石の効率を考えるのに秀でているので、無駄な所に石を持っていくようなことはしません。