北方領土を考える その一 北方諸島とアイヌ語の地名

ウラジミール・プーチン (Vladimir Putin)大統領が来日しています。山口と東京における安倍総理との会談がどんな成果を生むかが注目されます。会談の一つに北方問題を取り上げられるようです。日ロの平和条約に関して安倍総理は「新しいアプローチに基づく交渉」とか「特別制度による共同経済活動」とやらで臨んでいるようです。経済協力先行を主張するロシアは領土問題を棚上げしたいのは目に見えています。

国家の主権の大事な要素は領土、そしてそこに住む民族です。領土の帰属を主張する根拠とは、誰が見つけて占有を宣言するかではなく、誰が先住していたかということが20世紀以降の国際通念です。北方領土問題は占有と先住を巡る解釈、そして力関係です。そうたやすく解決する問題ではなさそうです。100年はかかるかもしれません。樺太生まれの北海道育ちの私も日ロの平和条約と北方問題の解決には大いに関心を持っています。

北方領土における千島や樺太、そして北海道にはアイヌ語を語源とする地名などが沢山あります。私が生まれた樺太の真岡は、アイヌ語の「マオカ」で静かな場所、「マ・オカ」という呼び名もあり、これは「川口が入江になっている海岸」という意味だそうです。小さいとき育った美幌はアイヌ語の水多く、大いなる所を意味する、「ピ・ポロ」、稚内はアイヌ語の「冷たい飲み水の沢」を意味する「ヤム・ワッカ・ナイ」、名寄はアイヌ語の渓流に注ぐ口という意味の「ナイオロプト」、旭川はアイヌ語で忠別川を指す「チュプ・ペッ」と呼ばれていました。「チュプ」は「日」、「ペッ」は川の意味でやがて「旭川」となったという説です。