アメリカの学校は今 その四  奨学金にはROTCかPell GrantかGI Billを

rfdfdr-sfspan images rotc-image2「どこの大学で勉強しようか」と思案するのは高校生には一つの関門であり特権でもあります。大学能力評価試験であるSAT、またはACTの成績が良い生徒は99%、志望するところへ入ることができます。高校には進路相談の専門員、Guidance Counselorが必ずいます。自分の学力と大学の評価基準を秤にかけ大学を推薦してくれます。

多くの生徒は地元の州立大学へ行くのが普通です。授業料が比較的安いからです。私立大学も人気があります。自分の家系の宗旨によって決めるのです。例えば、カトリック系、ルーテル系、バプテスト系、モルモン系などの大学です。こうした大学の多くは4年間勉強する単科大学(college)となっています。カリキュラムは、よくいわれるリベラルアーツ(Liberal Arts)です。学生数でいえば1,500人から2,000人くらいの規模です。

宗教系の大学には家庭が裕福な高校生が進学するのが多いです。4年間のカリキュラムがしっかりし、個別の指導が徹底し、規律のよい大学生活が魅力のようです。カレッジを卒業すると総合大学の大学院へ進むのが一般的です。私立の大学も高校も、人々から高い評価を受けるのがアメリカです。

州立でも私立でも成績がよいと奨学金を貰ったりローンを組んで勉強します。アメリカの大学は、資産 (endowment) が公表されています。多くは企業や地元からの寄付や同窓会からの支援金、教会信徒からの献金のことです。奨学金はこうした資産が基となっています。有名大学ほど資産が多いのは当然です。

ほとんどの大学には、陸海空軍および海兵隊の将校を養成する予備役将校訓練課程 (Reserve Officers’ Training Corps: ROTC)もあります。在学中は学費の一部か全額が支給され、加えて数百ドルの奨学金が与えられます。こうした学生は軍服姿で校内を歩いています。ただ卒業後は2年間の兵役義務があります。経済的に貧しい学生や将校となりたい学生は、兵役と引き替えにROTCプログラムで勉強するのです。日本政府もROTCを参考にした仕組みを作ろうとしたことがありますが実現しませんでした。韓国ではソウル大学など全国16大学でROTCプログラムを導入しています。

「Pell Grant」という連邦政府が支出する学部学生向けの返還不要の奨学金もあります。最高限度額は5,815ドルとなっています。「GI Bill」という一種の奨学金もあります。一定期間以上兵役について退役すると大学や職業学校の授業料や生活費として貰える資金のことです。なお「GI Bill」とは「復員軍人再復帰法」 (Servicemen’s Readjustment Act)という法律のことです。

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