女性の生き方 居眠り磐音 江戸双紙  その十一 小田平助

jss0 cimg9827 a697佐々木玲圓道場尚武館に小田平助がいます。強い西国訛りで磐音の弟子です。もと西国の大名に仕えた下士だったようです。ゆえあって辞し、諸国を武者修行し、槍折れ術の達人となります。剣にも秀でています。玲圓や磐音に外連味のない真っ直ぐな気質を見込まれ、弟子となります。

尚武館の奥でおこんらを手伝っているのが、武左衛門の娘の早苗です。あるとき早苗は自分も武術の稽古をしてみたいと申し出ます。そこで磐音に稽古をつけてもらうことになります。それを見ていた平助がいうのです。

平助 「大所帯の尚武館、若先生ともなると左団扇かと思うたがくさ、武者修行の者より何倍も働かされるよばい。」
磐音 「小田どの、それがしも深川六間堀の裏長屋に住まいした折りのほうが、自由な時間があったような気がします。」
平助 「若いうちのたい、苦労は買(こ)うちでんせちゅう ばってんくさ、大先生もあれこれ働きなさるたい。若先生も死ぬまで働かんとちがうやろか。」
磐音 「大いにそうかもしれませんね。」
平助 「若先生のよかといえばたい、苦労は苦労と思ちゃらんことたいね。」