Intermission: Can Handwriting Make You Smarter? その三 パソコンと手書きの違い

University_of_Nebraska_seal 1024px-WashUShielding.svg 804px-Princeton_shield.svgパソコンを使い記録することは、記憶という観点からは短期間ならば有効だといわれます。セントルイス(St. Louis) にあるワシントン大学(Washington University in St. Louis) の研究者らが、2012年に学生80人を対象に実施した実験で講義の直後にテストを実施しました。それによりますとパソコンでノートを取っていた学生の方が手書きの学生よりも講義で話された事実を多く思い出し、点数がやや高かったというのです。ただ、こうした優位性は一過的だったということも指摘しています。

他の複数の研究によると、パソコンを使っていた学生は24時間後には記録した内容を忘れてしまうことが多かったというのです。また、大量のノートを見返しても記憶したことを想起するのに有効ではなかったといわれます。記憶が深層にまで及んでいなかったようです。

対照的に、手書きでノートを取った学生は講義内容を長く記憶でき、1週間後でも講義で示された概要をよく覚えていました。この事実について専門家らは、書くというプロセスがより深く情報を記憶に焼き付けると指摘しています。また、手書きのノートはよく整理されているため、復習にもより大きな効果を発揮するといわれます。

心理学者であるプリンストン大学 (Princeton University) のパム・ミュラー(Pam Muller)とUCLAのダニエル・オッペンハイマー(Daniel Oppenheimer)は、2014年に行った3回の実験で、学生にアルゴリズムからコウモリまで幅広い話題を聞かせ、キーボードか手書きでノートを取ってもらいました。学生にはノートを見て復習する機会を与え、講義直後と1週間後に67人にテストを実施しました。

その結果、この二人の研究者は心理科学の専門誌で、手書きでノートをとった学生が記録した単語数は少なかったものの、書く時に題材をより集中して考えたようで、耳にしたことをより深く吸収したようだと述べています。

半面、パソコンを使う学生は機械的にノートを取り、聞いたことを一語一句そのまま打ち込んでいました。問題はパソコンを使う人には逐語的にノートを取る傾向があることです。ネブラスカ大学リンカン校(University of Nebraska-Lincoln)のケン・キウラ (Ken Kiewra) は「皮肉なことに、速く記録することができるのがノートパソコンを使うことの魅力だが、逆にそのことが学習の効果を減らしている」と述べています。