Intermission: Can Handwriting Make You Smarter? その一 手書きの効能

「居眠り磐音 江戸双紙」に少し休憩させていただくことにします。

1 e0253707_15254411 68b0faf8作家、リービ英雄 (Hideo Levy) 氏の必需品は原稿用紙。それをいつも手元に置いていると語っています。「星条旗の聞こえない部屋」とか「ノベンバー」、「仲間」、「千々にくだけて」といった短編小説を書いています。読んでみるとなにか自叙伝か私小説を書いているかのような印象を受けます。18歳まで日本語を手書きできなかったとも回想しています。

私も手元に置いているものがあります。A4版のノートと葉書、そして便箋です。ノートはもう30冊以上になっています。長年、手書きで一日1,000文字以上を書くように心掛けているのでその「集大成?」のような分量です。数字やローマ字を含めての1,000文字です。特に新しい漢字、書けない漢字は手書きによって覚えるようにしています。ワープロでは読める漢字はすぐ打ち出せますが、手書きできないものがたくさんあります。手書きがでないということは、いまだ覚えることができていないということです。

礼状や手紙は必ず手書きで出すようにしています。その際、書けない漢字はひらかなで書くことにしています。それが情けなく悔しいのです。親父が96歳で他界したとき、彼の所蔵品を整理していると日記が出てきました。たかが十数行ですが、毎日起こったこと、出会った人、会話したことなどが記されていました。私は、それ以来手書きを励行しています。

いつも「躊躇」なく、手書きの困難な例として持ち出すのが、「薔薇」という語です。大抵は「バラ」というように表記されのですが、これではRoseの香りと色の深みが伝わりません。「Roseは薔薇」でなければならないのです。

Wall Street Journal の2016年4月4日に掲載された「Can Handwriting Make You Smarter?」という記事を読みました。「手書きは人を賢くするか?」という題です。これを読みながら、手書きを推奨する者として溜飲が下がる思いをしました。なにか爽快な気分です。

新しい漢字や熟語は読めても、手書きで何度も何度も書かないと覚えることができません。書くという行為によって漢字の形や筆順が記憶に深く刻み込まれるのです。手書きによって漢字のパタン画像が脳に残るのです。電車の中や街を歩きながらスマホでなにやらタッチしているのは日常的な光景です。でもこうした人は、難しい漢字は書けっこありません。タッチやキーボードでは筆順が省かれるので、いざ筆で書くとなると困るのです。

外国語の単語を覚える場合も全く同じことがいえるのです。「Serendipity」という単語があります。”偶然に予想外のものを発見すること” とか、” 知らなかった価値を見つける” という意です。何度も繰り返して学ぶことによって「Serendipity」が書けるようになるのです。