リベラルアーツ教育 その5 コミュニティ・カレッジ

iStock_000047714610XLarge large_matc_0 madisonclg_logo我が国のリベラルアーツの雄は国際基督教大学( International Christian University: ICU)といってもよいでしょう。単科大学という性質からみればInternational Christian Collegeと名付けるのが正しいと思われます。ICUはベラルアーツ・カレッジ(liberal arts college)として「平和」、「学術基礎」、「専門知識」を統合しながら、バイリンガリズムによる世界基準の「全人教育」という理想を掲げて1949年に創立されます。「国際的社会人としての教養をもって、神と人とに奉仕する有為の人材を養成し、恒久平和の確立に資することを目的とする」とあります。アメリカの長老派教会 (Presbyterian Church) によって支援され、財界からの寄付を受けて、リベラルアーツ・カレッジの伝統を踏襲しています。

「多様性」はアメリカの大学の特徴です。アメリカの大学はもともとは単科大学であるカレッジ(college)として創設された経緯があります。例えば聖職者を養成し、町や村のリーダーを養成することを主たる目的として定めました。そのために教養を幅広く身につけ、決断力を養い、リーダーシップをとれる人間になる基礎教育をするようになりました。これがリベラルアーツ教育です。そして、リベラルアーツ・カレッジが誕生します。

1636年に創立された牧師養成の機関がハーヴァード大学(Harvard University)です。ハーヴァードはアメリカ最初のカレッジです。やがて新しい専門分野を加えていきながら、大学院レベルの研究に力を入れている総合大学として発展してきました。世界で最も入学が難しいといわれています。

アメリカには州立、私立を含めて4,000以上の大学があります。その大半は小さなカレッジであることをご存じでしょうか。4年制のリベラルアーツの大学です。少人数のコミュニティのゆえ、手厚い指導のもとで幅広い知識を習得できます。美術や音楽のカレッジ、コンピュータ操作、歯科技工、機械、教師養成、軍の士官養成大学などもあります。あえて大きな総合大学を選ばずこうしたカレッジで勉強し、総合大学の大学院へ進む者が多いのがアメリカのカレッジの特徴です。

どうしても職業技術を身につけたい者には、コミュニティ・カレッジ(Community College)、あるいはテクニカル・カレッジを選び最低限の教育や職業訓練を受けることができます。ここで語学研修するのも賢い選択です。コミュニティ・カレッジは中小都市には必ずあります。

リベラルアーツ・カレッジなど多くのアメリカの大学は、できるだけバラエティの富んだ学生たちを入学させようという観点から入学審査を行います。リベラルアーツ・カレッジで有名なところは極めて授業料が高いです。そのため高所得者の子弟が多いのも事実です。そのために大学は多くの奨学金を用意して優秀な学生を集めようとします。大学がどの位の基本財産(Endowment)を有するかが大学発展の大きな要素となります。

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