音楽の楽しみ その1 合唱曲の数々  「柳河風俗詩と柳川」

これから暫く、私が過去に歌った合唱曲にまつわる音楽のエピソードを文章化し、音楽の足跡を振り返ることにします。相当にこだわる話題となります。

通信制高校で働いた三年目の卒業式が福岡県の田川郡にある本校であり、連れ合いと出向きました。校長という職の冥利は卒業式の告辞を述べることです。北原白秋が近くにある柳川の出身であることを知っていたので、白秋の詩を題材として卒業生や参列者に語りました。素原稿を練るのに一週間ほどかけました。取り上げた詩は「からたちの花」です。ミカン科の落葉低木からたちは春に白い花を咲かせます。

からたちの花が咲いたよ。 白い白い花が咲いたよ。
  からたちのとげはいたいよ。 青い青い針のとげだよ。

楚々としたからたちの花を白秋はなんのてらいもなく歌ったようです。私はこの白秋の詩をつくる姿勢、つまりありのまま自然を見つめて文章化することに白秋の人柄がでていると感じました。卒業生には朝早く起きて、昼間は一生懸命働き、夜は早く寝るといった平凡ながら規則正しい生活の大切さを語りました。

卒業式の翌日、念願だった柳川を訪れました。立花藩12万石の城下町として古い歴史を持つ街です。水郷「柳川」としても知られています。白秋はこの街の出身です。ここに白秋生誕百年を記念した記念館があります。記念館は北原家の広大な旧跡地の一隅に建てられています。ここには詩聖ともいわれる白秋の遺品やパネルなどが多数展示されています。建物は、壁面に平瓦を並べて貼り瓦の目地に漆喰をかまぼこ型に盛り付けて塗る工法で造られた独特の風合いを出しています。この工法は「なまこ壁」と呼ばれています。

えもいわれぬ風情のあるたたずまいでした。


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柳川