初めに言葉があった その50 デフレからの脱却  その11 「1ドル=90円」

私が米ドルを買おうとしたもう一つの理由は、外国為替市場が円安に向かい、一ドル=100円くらいになったら一ドル=90円で買っておいたドルを売ろうとしたことです。実に短絡な発想です。退職を機に、自分が知らない分野のことを少し勉強してみたくなりました。経済とか景気とかといった未知の世界です。私は、政府のインフレとデフレ政策が円高や円安を誘導するといった仕組みを知りませんでした。市場が決めるのだろうと思っていたのです。アベノミックスの前のことです。

現在は円安が続いているといわれます。為替市場が円安に向かうと、日本国内はインフレに向かいます。繰り返しますが、1ドル=90円の相場で1万ドルは90万円です。それを購入したとします。1ドル=100円になるとこれが100万円になります。皆が差額の10万円を得たとしますと、円安に誘導されるので物の価格が上昇します。すなわちインフレが起こります。今は円安のせいで外国人観光客の来日が続いています。財布に一万円札をぎっしり詰め込んだ中国人らしき人がテレビで写っています。これがインフレ状況かどうかはわかりません。

2007年頃から米国の住宅価格の上昇に陰りがでて、低所得者向けのローンに焦げ付きが見られるようになりました。このサブプライム・ローン(subprime lending) の信用がなくなり、大量に証券を保有していたリーマン・ブラザーズが2008年9月に破たんします(Bankruptcy of Lehman Brothers)。なぜ低所得者がローンの支払いができなくなったのかの原因はまだ理解できておりません。

ただ、銀行や証券会社の破産など、不動産投資に対する警戒感のせいでしょうか、日本はサブプライム・ローン関連債権などにはあまり手を出していなかったようで、リーマン・ショックの直接的な影響は軽微だったといわれます。ですがショックを境に世界的な経済の冷え込みによって、国内における消費の落ち込みやら金融不安で急速な円高ドル安が進みます。米国市場への依存が強い輸出産業がダメージを受け、結果的に日本経済の大幅な景気の後退にもつながります。

このあたりまでの景気のからくりや外国為替市場の動向は、ようやくわかるようになりました。

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