初めに言葉があった その46 デフレからの脱却  その8 「「患者のための薬局ビジョン?」

日本薬剤師会によると75歳以上の高齢者だけでも残薬は年間およそ475億円分に上ると推計されています。薬は飲まないことにこしたことはないのですが、、、これほどの薬が無駄になって医療費に反映されていると考えると苦々しくなります。国民の医療費に占める薬局調剤医療費は14.2%だそうで、その伸びは11年で372%以上、国民医療費での比率にして3倍強というのです。いかに薬剤の処方が増えているかを物語ります。高齢化の進行によって薬を必要とする人が増えているという理由だけの数字ではありません。

医薬分業が始まったのは1974年。これを機に病院と薬局の経営が別となりました。ただ薬局は道を挟むなど分かれて立地することを義務付けられていて「門前薬局」が立ち並ぶことになりました。沢山の薬局の看板を見ながら、果たして経営は成り立っているのかとさえ思ってしまいます。厚生労働省は2015年10月に「患者のための薬局ビジョン〜門前からかかりつけ、そして地域へ」という方針を打ち出しています。これを読みますと「かかりつけ薬剤師・薬局が持つべき機能」として、服薬情報の一元的・継続的な把握とか、服薬情報の一元的・ 継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導とか、かかりつけ医との連携により地域における総合的な医療・介護サービスを提供する、などとあります。

連れ合いには、ホームドクターがいます。いつもクリニックの隣にある「かかりつけ薬局」で薬をもらいます。この薬局は (1) 連れ合いの薬や体質の情報を一元的に管理している、(2) 連れ合い宅を訪ねて副作用や飲み残しがないか確認しドクターに報告している、(3) 医師に処方の変更を提案している、かといえば全くそんなことはありません。こうした実情を改善しようとするのが「患者のための薬局ビジョン」らしいのです。

厚生労働省のこのビジョンによれば、患者が選んだ「かかりつけ薬局」が、ホームドクターと連携して患者の服薬状況の全体を把握するよう促すことで、医療の質を高め医療費の削減につなげようと意図しています。「果たしてうまくいくのかな、、」という疑問が沸いてきます。


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