留学を考える その53 テネシー州—Volunteer State

テネシー州(Tennessee)はケンタッキー州(Kentucky)、ミズーリ州(Missouri)、ヴァージニア州(Virginia)など8つの州と接しています。最大の都市はメンフィス(Memphis)。州都はナッシュビル(Nashville)となっています。「チュチュトレイン」のチャタヌガ(Chattanooga)もこの州にあります。アパラチア山脈(Appalachian Mountains)を中心とするグレート・スモーキー山脈国立公園(Great Smoky Mountains)はハイカーが押し寄せるところです。産業では、タバコ、綿花、そして大豆などの農産物が有名です。

中学生時代の社会科の教科書に「テネシー計画」についての記述がありました。1933年にルーズベルト大統領(Franklin Roosebelt)が、ニューディール(New Deal)政策の一環として、テネシー川流域の総合開発を目的とした世界最初の地域開発といわれています。テネシー川流域開発公社(Tennessee Valley Authority: TVA)が主体となり、多くの多目的ダムなどの建設によって、膨大な雇用を創出したプロジェクトです。丁度世界恐慌のときです。中学生ながら、「いつかテネシーへ行ってみたい」という思いを持ったものです。

テネシーはカントリーウェスタン(Country Western)の発祥の地です。すでに紹介したエルヴィス・プレスリーもここの出身。彼が主に音楽活動を行ったのがメンフィス(Menphis)です。70代以上の方にはテネシー・ワルツ(Tennessee Walz)が懐かしでしょう。1950年にパティ・ペイジ(Patti Page)が歌い世界的なミリオンセラーとなります。日本では江利チエミが歌います。カントリーミュージックの影響が強い歌です。

ナッシュビル(Nashville)にも沢山の南部のライブを楽しめるところがあります。その響きはBluegrassと呼ばれるアコースティック音楽のジャンルです。演奏にはギター、マンドリン、フィドル(ヴァイオリン)、ギターなどの楽器が使われます。アパラチア南部に入植したスコッチ・アイリッシュ(Scotch Irish)といわれる北アイルランドやスコットランドから移住した人たちの伝承音楽をベースにしているようです。Bluegrassはアップテンポの曲が多く、楽器には速弾きなどの即興演奏(インプロヴァイズ)もあります。もちろん、ブルース感を表現する弾き方やハーモニーにも特徴があります。ナッシュビルに来たら必ず本場のBluegrassを楽しむべきです。

テネシー州のライセンスプレートには「Volunteer State」とあります。1800代のBattle of New Orleansに人々が駆けつけてきことに由来しています。この戦いでイギリス軍を破り、ルイジアナ(Louisiana)やテネシーが植民地から解放されていきます。

テネシーの高等教育機関です。バンダービルト大学(Vanderbilt University)、テネシー大学(University of Tennessee-Knoxville)、テネシー州立大学(Tennessee State University)などが研究中心の大学です。ベルモント大学(Belmont University)、 長老派教会(Presbyterian Church)が経営するロードカレッジ(Rhodes College)も入学が難しいリベラルアーツの大学です。授業料や生活費が他州に比べて安いのが魅力です。是非テネシーへの留学を考えてください。

Negative NRCA-142-INFO01-4393H RG 142 Tennessee Valley Authority, Information Office Series: Kodak Negative File 1933-1976 Box 7 TVA_4393H

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RG 142
Tennessee Valley Authority, Information Office
Series: Kodak Negative File 1933-1976
Box 7
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