六名の絶妙の和音と旋律、そしてリズム、清冽なカウンターテナーの響きで知られるア・カペラ(a cappella) グループに「キングズ・シンガーズ (King’s Singers)」がいます。1968年にケンブリッジ大学 (University of Cambridge)のキングズ・カレッジ (King’s College) の学生により結成されます。国内はもちろん、ヨーロッパや南北アメリカ、オーストラリア、日本などで公演を行なうほか、公開レッスンなどのワークショップを主宰して合唱団の育成にも努めています。レコーディングも精力的に行い、多くのCDを制作しています。
そのレパートリーは宗教曲、モテット (mottetto) 、マドリガル (madrigal)、民謡、ポップス、ジャズなど幅広く、現代作品にも意欲的に手がけています。例えば武満徹の「芝生」や男声六重唱の「手作り諺」、イタリアの作曲家ベリオ (Luciano Berio)の「Sequenza」などです。
「ア・カペラ」とは、平易化された教会音楽の様式のことといわれます。教会音楽に限らず無伴奏で合唱や重唱でも歌われ、歌詞が会衆に伝わるような楽曲のことです。「モテット」は、声楽曲のジャンルのひとつ。一般的に中世末期からルネサンス音楽にかけて発達した、ミサ曲以外のポリフォニーによる宗教曲を指します。ルネサンス時代にミサや通常の式文以外の宗教曲全体を指すようになります。ドイツのプロテスタント教会では、コラールを利用したモテットが作られるようになります。「マドリガル」は、中世イタリアで生まれた5声部の無伴奏による合唱曲、あるいは世俗声楽曲のことです。
キングズ・シンガーズの活動は多彩です。自ら基金を作り「Carol for Christmas」という作曲コンペも主催し、若い作曲家の作品をキングズ・カレッジ教会堂 (King’s College Chapel ) で演奏できるように支援しています。ア・カペラグループとしては草分け的な存在です。今も世界で最も優れたア・カペラ合唱団の一つといえましょう。
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