旅は道連れ世は情け その4 大学生活の開始

U-Haulを引っ張ってジョージアからようやくウィスコンシンに着きました。ウィスコンシン大学の構内に入ると、落ち着いた煉瓦色の建物、古城のような体育館、博物館や図書館、大学カフェテリアなどがありました。そのとき、「果たしてついていけるのだろうか、、」という不安に襲われました。大学の雰囲気があまりにピリピリし、威圧感があったからです。ですが物思いに耽る場合ではありませんでした。

大学院の授業といっても詰め込みです。授業にでても半分くらいしか理解できません。思い切って留学生の相談室に行きました。そこで「授業中のノートテーキングでは単語を書き並べ、授業後にすぐ文章化するように」というアドバイスでした。記憶が鮮明なうちに筆記する方法です。

授業では、休む院生はほとんどいません。授業前に教官は教室にいて学生を待っています。休講もありません。ただ一度だけ、ある冬の夜間授業のとき、教官が教室にやってきて「今夜は調子がわるいので休ませて欲しい」というのがあっただけです。これが最初で最後の休講です。

最初の中間試験があり、結果は教官室のドアに学生番号が掲示されました。自分の点数をみてガツンと頭をなぐられたような気分になりました。試験なんてたいしたことがないだろうとたかをくったのが間違いでした。完全な落第点でした。試験問題は、マルバツ、多肢選択、単語の記入、エッセイから構成されていました。このような問題形式に全く慣れていませんでした。授業中に教官が講義した内容が問題としてでることを知りました。それからは試験前にはノートを何度も読み直し暗記に務めました。

半年くらい経ってからようやく自信のようなものが生まれてきました。とにかく時間をかけて読み、書くことに心掛けました。小論文の作成を支援する大学のサービスも頻繁に利用しては英文を添削してもらいました。一対一で添削してくれるのは英文科の院生です。論文書きのコツをここで学んだのは後々に役に立ちました。学生の支援が手厚いことに感じ入りました。このような論文書きの支援は、学んだ北海道大学でも立教大学でも、兵庫教育大学でもありませんでした。

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