心に残る名曲  その百三十二 チャイコフスキー  「ピアノ協奏曲第一番」

このピアノ協奏曲(Piano Concerto No. 1)は、雄大な序奏と変則的なソナタ形式の主部からなります。非常によく知られた序奏は、シンフォニックで壮麗で、第二楽章は華麗で優美な構成、第四楽章はロシアの民族音楽を随所に入れています。

 チャイコフスキー(Pyotr Tchaikovsky)は当初友人だったルビンシテイン(Nikolai Rubinshtein)を初演者と考え、彼に献呈しようとして1874年のクリスマスにこの作品の草稿をルビンシテインともう2人の楽友に聞かせたとあります。その後、器楽部が完成した後で、ドイツ人ピアニストで指揮者のハンス・フォン・ビューロー(Hans von Bülow)へ献呈します。ビューローは高く評価し「独創的で高貴」と賛辞をおくったといわれます。1875年10月にビューローのピアノでボストンにて世界初演され大成功を収めます。

ボストンでの初演の1週間後、ロシア初演はサンクトペテルブルク(St. Petersburg)において、ロシア人ピアニストのグスタフ・コス(Gustav Koss)とチェコ人指揮者のナプラヴニーク(Eduard Napravnik)によって行われます。モスクワ初演はルビンシテインの指揮、タネーエフ(Sergei Taneyev)のピアノによって行われます。いずれも大成功の演奏で終わったといわれます。ルビンシテイン自身、その後何度も独奏ピアノを受け持ち、このピアノ協奏曲第一番を世に知らしめる役割を果たした功績者です。

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