アメリカ合衆国とニックネームの由来 その50 The Mountain State

ジョン・デンバー(John Denver)の代表曲の一つである「カントリ・ロード(Take Me Home, Country Roads)」の歌詞には繰り返しウェストヴァジニア州(The State of West Virginia)が登場します。同州の代名詞的な楽曲ともなっています。歌詞といい曲想といい、しびれそうな心持ちになる歌です。

ウェストヴァジニア州は日本人にはあまり馴染みの少ない州です。合衆国でも地味な州ではあります。州都および最大都市はチャールストン(Charleston)です。ウェストヴァジニア州の歴史は、その山がちな地形、広大な川の渓谷、豊富な自然資源というの産物の影響を大きく受けてきました。

アパラチア山脈(Appalachian Mountains)内部に位置している合衆国内で唯一の州であり、すべての地域が山岳内にあることから、「山脈の州」(The Mountain State)と愛称が付けられています。

アパラチア山脈の全域で、「硝石トレイル」があり、硝酸カルシウムを豊富に埋蔵する石灰岩が採掘されてきました。弾薬用になります。アパラチア炭田(Appalachian coal mine)からの石炭も重要なウェストヴァジニア州の経済を支えています。石油や天然ガス、その他森林資源にも恵まれているのですが、人々の所得や失業率などの指標からすると、経済的に最も脆弱な州の一つといわれています。

ウェストバージニア州で最も知られている場所は、有名なアパラチアン・トレイル(Appalachian National Scenic Trail)の途中のポトマック川(Potomac River)とシェナンドー川(Shenandoah River)が合流する美しい渓谷にあるハーパーズフェリー(Harpers Ferry)です。ここは、南北戦争における激戦地の一つとなり、ハーパーズ・フェリーの戦い(Battle of Harpers Ferry)として知られています。この戦いは南軍の勝利に終わります。