心理学のややこしさ その十四 ハロー効果とソーンダイク

「ハロー効果(halo effect)」という言葉が初めて用いられたのは、アメリカの心理学者ソーンダイク(Edward Thorndike) が1920年に書いた論文「A Constant Error in Psychological Ratings」といわれます。この論文はネット上にありますのでそれを調べてみました。「halo」とは聖人の頭上に描かれる光輪のことで、動詞では「光輪で取り囲む」という意味です。新約聖書の中の主の祈り(Lord’s Prayer)の一節に「Hallowed Be Thy Name」というのがあります。「御名が崇められますように、御名に光が輝きますように」という意味です。「Hallowed」は「halo」から由来した単語です。

「ハロー効果」に戻ります。ある分野の専門家がいたとして、周りの者が専門外のことについても権威があると感じてしまうこと、あるいは外見のいい人が信頼できると感じてしまうことがその例です。ハロー効果というのは、良い印象からは肯定的な受けとめかたをしてしまう、逆に悪い印象から否定的にとらえてしまうことがあるというのです。

「ハロー効果」の代表は、コマーシャルに現れています。良いイメージの有名人やタレントがある商品の広告に登場すると、その商品やサービスを知らなくても良いイメージを視聴者に与えます。逆に、そのタレントが不祥事を起こしたりすると、商品の価値は何ら変わらないのに購入意欲が削がれたりします。「ハロー効果」の代名詞は後光効果というわけです。