「アルファ碁」(AlphaGo) その八 碁の心理と目算

碁の楽しみの一つに目算があります。対局の中盤や後半で自分は優勢か劣勢かを振り返るときです。自分と相手の地を数えて形勢判断することです。転じて、目論見や見込み、計画を立てることが目算です。

アマチュアには目算することが好きな人と全く目算には無頓着な人の二つのタイプがあります。私は後者に近いようです。原則、私は目算はしないことにしています。特に、自分のほうに弱い石がなく、相手を攻めているときです。攻めながら自分の地を稼ぐのですからこんなに気持ちの良いことはありません。明らかに優勢な場面となっています。

目算とは、強い石か弱い石を抱えるかによって必要かどうかが決まるのです。弱い石を抱えると逃げる一方で、一向に地は増えないのです。こうした形勢では目算は不用です。もっとたちの悪いのは、大勢がほとんど決まっているのに、目算をする人がいることです。弱い石を二つも抱えているとか、種石を取られているとか、あちこちに味の悪い箇所を持っているとかの場面です。味悪とは相手に付けいられる可能性を残している状態のことで、将来どんどん侵入されたり荒らされたりする危険があります。

目算は、自分を楽観視したり悲観視する場合にしばしば起こる心理でもあります。楽観視しすると打ち手が緩むことが往々にして起こります。逆に悲観視すると勝負手を放ったりしがちです。勝負手とは形勢を挽回しようとする無理がちな手のことです。

形勢がどうであれ、その場その場で最善の手を探すことがよいようです。これは大変難しいのですが、無理をせずじっと我慢してヨセで追いすがることが肝要といえるでしょうか。