心理学のややこしさ その十九「ウィンザー効果」

「あそこの眼科は腕がよいので人気がある」、「ここの寿司は安く美味い」と友人から勧められることがあります。私も情報を持っていないときは、友人に助言を求めることが多いです。

商品の評価は客にしてもらうのがよいようです。そのほうが信頼できます。本人より第三者の情報や評価のほうが人に与える影響は大きいようです。自分でアピールしたものにはあまり信憑性が伴いません。

「伯爵夫人はスパイ (The Spy Went Dancing)」というミステリー小説の登場人物にウィンザー伯爵夫人がいます。彼女はあるとき「第三者の誉め言葉がなんといっても一番効果があるのよ。それを忘れないでね。」と言ったのがウィンザー効果(Windsor Effect)の由来とされています。

ついでながら「伯爵夫人はスパイ」のあらすじです。元モデルのアメリカ女性、アイリーン(Irene)はCIAのスパイ。第二次大戦中ナチスの活動を探る任務についていました。やがて若いハンサムなスペイン人伯爵と出会い結婚、スパイ稼業から足を洗います。そしてヨーロッパ上流貴族社会で確固たる地位を獲得する伯爵夫人におさまります。あるとき、NATOの米軍高官が軍事機密をソ連に流しているらしいので、見つけ出して欲しいと依頼されるのです。友人ウインザー公爵夫人の協力を得てアイリーンは怪しい男を追うという物語です。