アメリカの中間選挙で表れた「pro-crime」という言葉、は政治・社会的なレトリック、すなわち批判用語として登場しました。敵対する候補の政策や立場を攻撃するの使われるレッテル貼りです。その観点は、文字通り「犯罪を推奨している」ということを意味します。ですが実際にそのような政治綱領を掲げる政党や組織は存在しません。保守派や批判派は、保釈制度の緩和、厳罰化に否定的な立場、あるいは特定の検察・司法改革などを進める政治家・政党を「犯罪者に甘い」「犯罪を助長している(pro-criminal)」と非難する際の政治的修辞(レトリック)として使われます。
中間選挙で使われる 「pro-crime」 は、「犯罪賛成」「犯罪を支持する」という意味です。ただし、これは通常の政策用語ではなく、選挙で相手候補を攻撃するための批判的な呼び方で、政治的なレッテルです。候補者が本当に「犯罪を支持している」と主張しているわけではなく、相手の治安政策を「犯罪者に甘い」とか「犯罪対策に消極的」であると印象づけるために使われます。
では何故今、頻繁に使われるのかです。その背景には、アメリカの政治で長年続いている「治安・犯罪対策」をめぐる共和党と民主党の対立があります。両党の傾向を簡略化すると次のような構図となります。
共和党側が強調すること次のようなことです。
・犯罪者への厳罰
・警察の権限・予算の維持や拡大
・保釈制度の見直し
・不法移民による犯罪への厳しい対応
・犯罪者を刑務所に留める
他方、民主党側が強調することは次のようなことです。
・刑罰だけでは犯罪は減らない
・警察改革と説明責任
・保釈制度の厳格化
・移民の権利や適正手続き
もちろん、これは両党の選挙戦術の傾向を簡略化したもので、民主党にも犯罪的な言動に対して厳罰を支持する候補者はいますし、共和党にも刑事司法改革を支持する人はいます。重要なのは、「pro-crime」は中立的な政策分類ではなく、相手候補に貼る政治的なレッテルだということです。実際にその候補者が犯罪を支持しているという意味ではありません。この言葉が頻繁に出てくるのは、2026年の選挙で、経済や物価だけでなく、移民問題と治安問題が共和党・民主党の重要な攻防テーマになっているからです。

コメントを残す