プロ・クライム(pro-crime)とは

2026年の中間選挙では、相手候補に対する酷い、辛辣な言葉が飛び交いました。「プロ・クライム(pro-crime)」という用語もそうです。その例としては、ジョージア州の民主党上院議員ジョン・オソフ(Jon Ossoff)や、ノースカロライナ州の民主党候補ロイ・クーパー(Roy Cooper)に対して、共和党側がという表現を使っています。例えば共和党の上院選挙対策委員会は、オソフについて、保釈制度の改革や警察活動への姿勢、移民政策などを取り上げ、「pro-crime agenda」と批判する広告を出しました。他方、民主党側は、犯罪者を刑務所に入れることだけでなく、犯罪予防や警察への投資、社会復帰なども公共の安全に必要だと反論しています。

 アメリカには、犯罪や治安への不安を選挙運動で利用する長い歴史があります。特に有名なのが1988年の大統領選挙です。共和党のジョージ・ブッシュ(George Bush)陣営は、民主党候補マイケル・デュカキス(Michael Dukakis)を「犯罪に甘い」と攻撃しました。その際に使われたのが、服役中に一時釈放され、その後に重大犯罪を起こした人物を取り上げた選挙広告です。この広告は、人種的な偏見を利用したものだったとの批判も強く、アメリカ政治史に残る論争となりました。2026年の選挙でも、この1988年の戦術が再び注目されています。トランプ大統領自身もこの広告に言及しています。

 「プロ・クライム」という言葉は、犯罪学や心理学における意味(pro-criminal attitudes: PCA)で使われます。反社会的で犯罪を肯定する態度のことです。この言葉で、 犯罪行為を正当化したり、合理化したりするのです。犯罪学の理論では、法律や社会規範のブレーキを外し、犯罪に踏み切るための心理的背景となると指摘されます。Pro-crimeは犯罪者が抱く「自分は悪くない」とか、「社会(被害者)の方が悪い」といった弁護や、犯罪による利益を求める思考も含むので注意すべきです。

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