アメリカで比較的新しく連邦の公的な祝日として制定された、奴隷解放を記念する日がジューンティーンス(Juneteenth)です。名前の由来は、6月(June)と19日(Nineteenth)を組み合わせたかばん語(混成語)です。
この祝日の歴史的な背景についてです。1863年1月1日にエイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln) 大統領は「奴隷解放宣言」(Emancipation Proclamation) を出します。しかし、南北戦争(Civil War) の最中だったこともあり、南部の一部の地域にはその内容がすぐには浸透しませんでした。
宣言から2年半近く経った 1865年6月19日、テキサス軍管区の司令を任された北軍(Union)のゴードン・グレンジャー将軍(Gordon Granger) がテキサス州(Texas)ガルベストン(Galveston)に到着し、未だ拘束されていた黒人奴隷たちに彼らが自由の身になったという軍令を読み上げました。この「テキサス州の奴隷たちへついに解放の知らせが届いた日」が、ジューンティーンスの始まりです。
グレンジャー将軍が読み上げた大統領の「一般命令第3号」は以下のようでした。
合衆国大統領からの布告により、あらゆる奴隷は自由であると、テキサスの人民に告知する。対人権と財産権について、以前の主人と奴隷の間における完全なる対等性を伴うものであり、彼らの間にこれまでに存在する関係は、雇用者と被雇用労働者の間におけるものとなる。
連邦の祝日になった経緯は公民権運動の一環といってよいようです。すなわち長年、この日はアフリカ系アメリカ人のコミュニティを中心に大切な記念日として祝われてきました。2020年に起きた人種差別抗議運動(Black Lives Matter)などをきっかけに、国全体で祝うべきだという機運が急速に高まりました。
そして 2021年6月17日、ジョー・バイデン大統領(Joe Biden) が法案に署名したことで、アメリカで12番目の連邦祝日として正式に制定されました。連邦祝日の新設としては、1983年の「キング牧師記念日」(Martin Luther King Jr. Day) 以来、38年ぶりのことでした。
この日は、パレードやフェスティバルが行われるほか、アメリカの歴史や自由の尊さについて家族や地域で考える大切な祝日となっています。


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