コロンブス・デイへの疑義

コロンブスの到着以前から何千万人もの先住民が大陸に独自文明を築いて住んでいました、北欧のバイキング(Viking) なども先んじて到達していたため、「コロンブスが新大陸を発見した」という観点自体がヨーロッパ中心主義(Eurocentrism)であると指摘されています。

タイノ族(Taino)の地域

反対意見1:帝国主義的な植民地支配者ではなく、アメリカ大陸の先住民を称えるべきである。
 「先住民の日を支持するイタリア系アメリカ人(Italian Americans for Indigenous Peoples Day)」という団体は、次のように述べています。

 「征服、奴隷制、そして集団殺害というジェノサイド(genocide)によってその歴史的評価が特徴づけられる人物を称える祝日よりも、先住民の不屈の精神を称える祝日の方が、はるかに真実に即しており、人々に希望を与えるものです。一部のイタリア系アメリカ人は、「コロンブス・デイ」は本質的に自分たちのルーツを祝うものであり、その名称変更は歴史を抹消することに等しいと主張しています。しかし私たちは、クリストファー・コロンブスと関連づけられることは、私たちの文化の価値を損なうものであり、19世紀後半から20世紀の大部分にかけて、深刻な宗教的・民族的差別や暴力に耐え抜いた先祖の苦難を軽視することになると考えています。」

反対意見2:イタリア系アメリカ人は、合衆国および彼ら独自の文化と結びついた祝日によって称えられるべきである。
 イタリア系アメリカ人の文化には、称えるべき歴史や人物が数多く存在します。実際、「アメリカ」という名称はアメリゴ・ヴェスプッチ(Amerigo Vespucci) に由来しています。彼は、コロンブスが想定していたようなアジアではなく、そこが「新世界」であることを指摘した人物でした。

 作家であり歴史家でもあるロクサーヌ・ダンバー=オルティス(Roxanne Dunbar-Ortiz) は、イタリア系アメリカ人が称えるべき人物として、ミケランジェロ(Michelangelo)やヴィヴァルディ(Vivaldi)、その他数千人もの著名で素晴らしい人々を挙げています。彼女は次のように述べています。「コロンブス・デイを祝うのではなく、イタリア人のための別の祝日を設けるべきだと私は考えます。なぜなら、コロンブスの到来こそが、ヨーロッパによる植民地支配、大西洋奴隷貿易、そしてアメリカ大陸におけるジェノサイドの始まりだったからです。それこそが、コロンブスが象徴するものです。」

反対意見3:コロンブス・デイは抑圧と暴力を美化す​​るものである。
 AP通信は、コロンブスがアメリカを「発見」した後について、次のように説明しています。先住民はスペイン人による残虐な扱いに反旗を翻しましたが、コロンブスは非情な弾圧を命じ、その中には切断された遺体を人々の目にさらすといった行為も含まれていました。やがてコロンブスは、不適切な統治や残虐行為の容疑で逮捕され、失意のうちに亡くなりました。

 コロンブスの到着から約60年後、カリブ海の先住民タイノ族(Taino) の人口は、奴隷化や新たな病気による死が原因で、推定25万人から数百人にまで激減していました。これらは、コロンブスがアメリカ大陸にもたらした暴力のほんの一例に過ぎません。彼に続いて押し寄せた大勢のヨーロッパ人入植者たちがもたらした暴力は、さらに甚大なものでした。これほど非情な人物を、なぜ祝う必要があるのかと問われるのです。

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