イギリスにおける図書館司書の養成は、アメリカと同様に大学院レベルでの専門教育が主流です。同時に独自の認定団体や「見習い制度」を通じた多様なルートが存在するのが特徴です。
図書館情報専門職協会(CILIP) による認定
イギリスで最も重要な役割を果たしているのが、図書館情報専門職協会(Chartered Institute of Library and Information Professionals:CILIP)です。プロの司書を目指す人の多くは、CILIPが認定した大学院の修士課程(MAやMSc)を修了します。こうした民間の専門機関が大学での司書養成課程を認定するのはアメリカと同じです。学位取得の後に、実務経験を積みながら、CILIPの「認定資格(Chartership)」を取得することで、名実ともにプロの司書として認められます。
修士号取得へのパス
一般的には、以下のステップを踏むのが王道とされています。学士号を取得していることが前提ですが、その専攻は問われません。実務経験(Graduate Traineeship)も重視されます。修士課程に入る前に、1年間程度、図書館で「研修生」として働くことが推奨されています。これにより、現場の理解を深めてから専門科目の習得に入ります。イギリスの修士課程はフルタイムで通常1年間で、集中的に図書館情報学を学び、資格を認定してもらいます。
多様なキャリアパス(見習い制度など)
大学院を経ないルートも整備されています。Apprenticeships(アプレンティスシップ)という制度があり、働きながら学び、資格を取得する「見習い制度」が導入されています。レベル3(アシスタント級)からレベル7(修士相当)まであり、学費負担を抑えつつキャリアを築くことが可能です。経験による認定もあり、適切な学位を持たなくても、長年の実務経験とスキルの証明によってCILIPの認定資格を目指す道も開かれています。
資格のランク(Professional Registration)
CILIPはスキルの習熟度に応じて3つの段階を設けています。
・認定 (Certification: ACLIP): 補助的・初級レベル。
・通常資格 (Chartership: MCLIP): 標準的な専門職レベル(最も一般的)。
・特別研究員の資格 (Fellowship:FCLIP): 業界への多大な貢献が認められた最高位のレベル。
図書館の種類と要件
学校司書については教員免許は必須ではありませんが、CILIPの資格を持つことが強く推奨されます。就職にはCILIPの資格は有利に働きます。大学の場合は、専門図書館: 学術的背景や法学・医学など特定の分野の専門知識がより重視されます。
イギリスの図書館司書養成システムは、伝統的な「徒弟制度」の名残と現代的な「専門職大学院」の仕組みが融合しており、より柔軟にキャリアをスタートできる点が特徴と言えます。これはアメリカにはない独特な養成制度です。


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