Last Updated on 2025年3月12日 by 成田滋
ホームスクール(HS) に関する法律は、次の 3 つのカテゴリに分けられます。一部の州では、HSの要件は、私立学校の一種として扱われることなっています。カリフォルニア州、インディアナ州、テキサス州です。これらの州では、HSは一般に、他の非認定の学校に適用されるのと同じ法律に従う必要があるとされます。
他の州では、HSの要件は州の義務教育法の独自の規定に基づいており、「ホームスクール」に特に言及していません。例えばニュージャージー州、メリーランド州がそうです。これらの州では、HSの要件は、義務教育法の特定の母数の一部(パラメーター)として設定されています。
別の州、例えばメイン州、ニューハンプシャー州、アイオワ州などでは、HSの要件はHSに特に適用される法令または一連の法令に基づいています。法令ではよくHSを他の名称で呼ぶことがあります。その例はバージニア州で、法令上の名称は「家庭教育」(home instruction)、サウスダコタ州では「代替教育」(alternative instruction)、アイオワ州では「秀でた個人教育」(competent private instruction)といった具合です。これらの州では、HSの要件は関連法令に定められています。
このようにすべての州に何らかの要件があります。ですがHSの実施にあたって要求される負担などのレベルには大きな違いがあります。HSをまったく同じように扱う州は 2つとありません。一般的に、多くの州ではHSの選択を複数提示して、選択ごとに異なる要件を適用しています。
州の要件
ほとんどの州では、HSの実施を州に通知することは不要です。いくつかの州では、地元の学校当局へ通知することが義務付けられています。現在では一般的に、HS実施の要件を緩和する傾向にあります。ですがロードアイランド州とマサチューセッツ州の2つの州のみが、HSを始めるときは、親が事前に承認を得ることを義務付けています。より厳しい要件としては、教員免許を有する者がHSの子どもの教育を監督する必要があると定めているところもあります。
一部の州では、HSの生徒は公立学校に登録する必要があります。別の州では、HSの生徒の公立学校への入学を許可していますが、義務付けてはいません。他の州では、HSの生徒の公立学校への入学を禁止している場合もあります。
HSに対してより厳しい要件を支持する者は、民主的な社会に参加する準備ができている教育を受けた国民という認定を受ける必要があると主張しています。しかし、より厳しい要件がより望ましい結果をもたらすことを示す科学的根拠はありません。一般的に学力の認定の要件が高い州の標準テストのスコアは、要件が低い州よりも優れているというわけではありません。HSに高い要件を課すことが賢明かどうかについては、疑問が投げかけられます。
マーケタス・センター(Mercatus Center)という非営利のシンクタンクが2014年にHSの自由度に関する調査をしています。それによりますと、HSに関する法律についてカリキュラム管理、通知や連絡、記録の保管、標準テスト、教員資格などについて50州をランク付けしています。この調査では、アラスカ、オクラホマ、カンザスなどの州がHSの自由度が最も高く、オハイオ州、メリーランド州、マサチューセッツ州は最も低いとされています。
