発達障害と診断と治療

Last Updated on 2025年3月6日 by 成田滋

2007年の国連総会において毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」(World Autism Awareness Day)とすることが決議され、全世界の人々に自閉症を理解してもらう取り組みが行われています。日本でも、世界自閉症啓発デー・日本実行委員会が組織され、自閉症をはじめとする発達障害について広く啓発する活動を行っています。毎年、世界自閉症啓発デーの4月2日から8日を発達障害啓発週間として、シンボジウムの開催等の活動を行っています。

 自閉症は自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)とも呼ばれ、近年では、早ければ1歳半の乳幼児健康診査でその可能性を指摘されることもあります。対人関係やこだわりの特性がきわめて強い状態だけでなく、これらの特性が少しでもあることによって生活に支障を来し、福祉的・医療的サポートが必要な状態まで幅広く含まれます。

 自閉スペクトラム症は、生まれつきの脳の機能に影響を及ぼす神経障害に起因し、一生続く発達障害であり、その影響は主として、性別、人種または社会経済的地位を問わず、多くの国々の子どもに及びます。「育て方が悪かったの…?」「しつけの問題…?」と悩む方がいますが、そうではありません。その特徴は社会的な相互作用における機能的な障害、口頭その他のコミュニケーション上の困難、こだわりのある反復的な行動、関心および活動にあるといわれます。

 最近の調査では子どものおよそ20~50人に1人が自閉スペクトラム症と診断されるともいわれています。男性に多くみられ、女性の約2~4倍という報告があります。

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