食料品消費税ゼロの問題

いくつかの政党は選挙公約として食料品の消費税をゼロにする、と訴えています。食料品が非課税となると、モノが安くだろうと消費者は喜ぶかもしれません。ですが外食業者の食堂やレストランは困るといわれます。よくいわれる懸念は、外食業者は「税率の差があることで不利な競争にさらされる」といわれます。それは次のような理由からです。

 第一は、値段の面で不利になることです。もし食料品(スーパーの食品など)の消費税が0%になって、外食業者が今まで通り10%の課税のままだと、スーパーで買って家で食べる → 税0%、食堂で食べる → 税10%という差がはっきり出ます。すると消費者は「同じ料理なら、家で食べたほうが安い」となりやすく、外食を控える人が増える可能性があります。

 第二は「持ち帰り」との競争がさらに厳しくなることです。日本ではすでに持ち帰り、食品販売の軽減税率、店内飲食の通常税率という区別があります。食料品が完全に非課税になると、弁当を買って帰る → 税0%、店内で食べる → 税ありという差がもっと大きくなります。結果として、店内飲食をやめて持ち帰り中心になり、そもそも外食産業が縮小するという圧力が強まります。

 第三は、仕入れ税額控除の問題です。食堂やレストランは、食材、設備、光熱費などを課税仕入れとして購入しています。でも、もし最終的に売る料理が「非課税」や「低税率」扱いになると、仕入れで払った消費税を十分に回収できないケースが出てきます。これは利益を圧迫します。

 第四は政策の「線引き」が不公平に見えることです。事業者側から見ると、食べる行為は同じ、料理内容も同じなのに「家で食べるか、店で食べるか」だけで税負担が大きく変わるのは不合理、という不満もあります。

 まとめると食料品の消費税がゼロになると食堂やレストランが困ると言われるのは、値段で不利になり客が減りやすい、持ち帰りとの競争が激化する、仕入れ税額控除の面で損をしやすい、税制上の不公平感が強まるからなのです。

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