ヨーロッパの小国の旅 その四十 小国で大国のベルギー

Last Updated on 2020年4月17日 by 成田滋

西ヨーロッパにあるベルギー(Belgium)を旅しましょう。北はオランダ、東はドイツ、南はルクセンブルグ(Luxembourg)、そして西はフランスです。国土としては最も小さい国の一つですが、人口密度は最も高い国です。独立したのは1830年。王室を擁する立憲君主共和国で首都はブリュッセル(Brussels)です。

文化的には多様な歴史を有し、ローマやゲルマン言語を母体としています。ベルギー人は3つの言語圏に分かれます。第一はオランダ語(flemish)を話す人々が1/2を占めています。「flemish」とはフラマン語とも呼ばれフランドル地方(Flanders region)の言葉といわれます。フランス北東部で話されている低地フランク語の系統の呼称ともいわれます。第二は、ワルーンズ(Walloons )と呼ばれるフランス語を話す人々が人口の1/3を占めます。第三はドイツ語を話す人々です。国民の多くは二つ以上の言語を使い分けることができるといわれます。

ベルギーは歴史と文化にあふれた国です。中世からの大学や街、交易、絵画や音楽が栄えた偉大なゴシックの伝統を擁しています。16世紀以来のルネッサンスを謳歌して発展した国です。他方、ベルギーは長い間ヨーロッパでの戦場の舞台となります。1815年のワーテルローの戦い(Battle of Waterloo)が起こります。ナポレオン(Napoleon Bonaparte)が連合軍に敗れた戦です。そして20世紀の二つの世界大戦で国土が戦場となります。

チョコレート博物館

今や、ベルギーは小さい国土ながら、ヨーロッパの政治や経済で大きな存在感を示しています。欧州連合(European Union: EU)や北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization: NATO)の本部がブラッセルに置かれているのもその証左です。