私は、これまで教育統計などを使うことを生業としてきました。種々の調査や実験から得られるデータを統計的に解析して、なんらかの結論を導き論文とすることでした。特に利用したのが多変量解析法です。多くの変数間の関連性を分析し、データの傾向を要約したり、将来の数値を予測したりするための統計的手法の総称です。因子分析もその一つで、データの裏にある本質的な因子を統計的に推定する手法です。
コンピュータ上での統計アプリなしに仕事はできません。そして、今は拙い文筆活動をしながらエッセイを書くときは、文法を含む修辞や用語の使い方を確認したり、間違いを探すために、AI 文法チェックというものを使っています。AI 文法チェックは、いろいろなワープロアプリやコンテンツ管理システムに埋め込まれています。自分が作る原文の質を高め、思いがけない洗練?された文章を作成してくれています。
アメリカの大学では、ChatGPTとかGoogle Geminiなどの生成AIの活用は急速に広がっています。その際、学生と教授の間でこのツールを使うときは、学術的な誠実さ(academic integrity)を守ることが最も重要とされています。生成AIを許容される使い方では、問題となることと推奨されことがあります。
学生が生成AIを使い方で、問題となる使い方から始めます。まず、論文本文を丸ごと生成AIに書かせることです。論文の中で、出典を確認せず、AIが出力した「フェイク引用」をそのまま使うことです。従って、提出物にAI使用の記載をせず、あたかも自分の考えとして提出することです。今、多くの大学では、AIの使用は「明記すること」を義務づけています。
学生が生成AIの利用を許容される好ましい使い方のことです。まず、論文のテーマに関する基本的な背景情報を提供してくれます。さらに論文のアイデア出し、論文テーマを決めるための問いかけをしてくれます。そして、導入→本文→結論という流れの構成案の提案してくれます。当然ながら、文章を校正し改善してくれることです。文法ミスや語彙の修正などは生成AIの得意とすることです。そして、よりアカデミックな表現への書き換えをしてくれます。科学論文では、コーディングや数式処理のサポートをし、計算の手順を教えてくれ、プログラミングのデバッグをサポートしてくれます。引用すべき文献のキーワード探しも補助してくれます。ただ、実際の引用元は自分で確認が必要となります。