トランプ大統領とプーチン大統領の首脳会談が開かれたのですが、詳しい会談結果は報道されていません。大統領専用機から降りて、両者の対面場所に向かうトランプの歩みはジグザクで、痴呆的(dementian)な障がいがあるようだ、というコメントもあります。共同記者会見のタイトルは、「Trump presser goes horribly wrong with Putin. Luncheon between US and Russians delegates has been cancelled. Trump will immediately return to Washington. 」首脳会談はトランプにとって悲惨な結果であるというコメントです。
「Trump has mad extraordinary concessions to Russia in exchange for nothing. Russia has repaid him by continuing the war and seeking to win it. Putin knows that Trump want the Novel Prize.」「この首脳会談は、トランプはロシアに対し何の見返りもなしに、並外れた譲歩をした。ロシアは戦争を継続し、勝利を目指すことで報いてきた。プーチンは、トランプがノーベル賞を欲しがっていることを知っている」と報道する有様です。
共同記者会見では、両首脳は会談の内容を簡単に説明するだけで、実質的なウクライナ戦争の停戦などのディールはありませんでした。記者からの質問も受けず立ち去るのです。記者から「質問、質問、、、」という叫びを全く無視して会場を立ち去るのです。会談では全く停戦に向けた進展がなかったからでしょう。次のようなコメントも寄せられています。「プーチンがこの会談に同意したのは、トランプを当惑させ、従順な子犬のように見せるためだけだった。任務は達成された。」ロシア駐在の元アメリカ大使が会談の内容について、プーチンは何も妥協せず、トランプは何も得るものがなかったとコメントしています。
1938年9月28日、イタリア首相ベニート・ムッソリーニ(Benito Mussolini)が仲介に入り、イギリスの首相チェンバレン、フランスの首相ダラディエ、ムッソリーニ、ドイツの総統ヒトラーが集まり会談を行う提案を行います。ヒトラーは応諾し、開戦の延期を声明します。報告を受けたイギリス議会では大歓声が起こり、戦争勃発の懸念から低迷していたニューヨーク株式市場も一斉に反発し値上がりします。翌、9月29日、ミュンヘンで4カ国の首脳による会談が行われます。チェコスロバキア代表のヤン・マサリク(Jan Masaryk)駐英大使とヴォイチェフ・マストニー(Vojtech Mastny)駐独大使は会議には参加できず隣室で待たされるのです。
翌30日午前1時30分に会談は終了し、4か国によってミュンヘン協定(Munich Agreement) が締結されます。ドイツの要求はほとんど認められ、ハンガリーとポーランドの領土要求にも配慮された結果となります。ヒトラーは「これ以上の領土要求はしない」と約束するのです。それは英独共同宣言と呼ばれ、戦争の危機は一応は回避されます。会談の隣室で待っていたマサリクとマストニーにはチェンバレンによって会談の結果が伝えられ、協定書の写しが手渡されます。この一連の国際会議はミュンヘン会談(Munich Conference)といわれます。
なおミュンヘン会談から帰国したチェンバレンを迎えたジョージ6世(George VI) は、チェンバレンにバッキンガム宮殿(Buckingham Palace) のバルコニーで国王夫妻とともに、国民からの歓迎を受ける特権を与えます。大衆の前で国王と政治家の友好関係を見せるのは極めて異例であったといわれます。
しかし一連のチェンバレンによる宥和政策は、ウインストン・チャーチル(Winston L, Churchill)が指摘したように「ドイツに軍事力を増大させる時間的猶予を与えた」と同時に「イギリスとフランスが実力行使に出るという危惧を拭えていなかったヒトラーに賭けに勝ったという自信を与え、侵攻を容認したという誤ったメッセージを送った」として、現在では歴史研究家や軍事研究家から強く非難されています。特に1938年9月29日付けで署名されたミュンヘン協定は、後年になり「第二次世界大戦勃発前の宥和政策の典型」とされ、近代における外交的判断の失敗の代表例として扱われています。
1939年9月1日のドイツ軍のポーランド侵攻と、同日に駐独イギリス特命全権大使を通じてポーランドからの撤退を勧告した最後通告への返答がなかったことを受けて、9月3日にチェンバレンもフランスのダラディエとともに対独宣戦布告を行います。ここに第二次世界大戦が勃発するのです。