このところ若者だけでなく中年の主婦が「あの品物をググってみた」と使うのを耳にします。先日アメリカの友人が、スーパーボウルの話題について「You should be able to google the article of NFL. 」(NFLの記事を検索できるぞ)と書いてきました。今や「 google」も動詞化されているのです。言葉は生き物ですから、多様に変化するのは当然としても、こからどこまでこうした単語が動詞化され、愛嬌とおかしみという「フラ」が生まれるかは興味あることです。
動詞化にはいくつかの現象があります。第一はサービス名の外来語が動詞化することです。それは特にITとかSNS系が多いことです。前述の「ググる」の他に「ラインする」、「ズームする」、「ウーバーする」、「インスタる」、「ブックする」といった具合です。第二は、若者の言葉が俗語としての動詞化することです。くだけた会話でよく使われます。「バズる」、「ミスる」、「ディスる」、「パニクる」、「メモる」、「トラブる」「ハモる」、「バズる」というように「〜る」をつけて五段動詞化するのが特徴です。ちなみに、「バズる」とは蜂の羽音を表現するざわめき「buzz」という用語からきたものです。
第三は、表現が意味する行為がはっきりしていて、操作したりアクションすることが想像できることです。「to friend 」という言い方は「友達に追加する」という意味であり、「to DM」は「ダイレクトメッセージを送る」ということです。」このような使い方は、「何をしたか」が説明なしで伝わり動詞にしやすいのです。会話の途中で「とっさに使いたい」という場面が多いのが特徴となります。「あとでググるわ」、「もうフレンドした?」、「それDMして!」というように会話でとっさに使いたいときに出てくるのです。
第四は、代替語がないとか用語が定着していないと、名前がそのまま動詞になる場合です。例えば、「to photoshop」は「写真を加工する」、「to uber」は「アプリで車を呼ぶ」とか「アプリで配達してもらう」とい按配です。ついでですが、Uberが日本で急速に浸透したのは、コロナによる強制的な生活変化、出前文化との相性、決済環境の成熟、配達員や店舗の参加しやすさということのようです。スマホの普及と共に日本の「宅配文化」と相性が良かったのです。
日本人はもともと時間厳守や出前、口コミが重視されてきました。言葉の動詞化はそうした文化の合理性とノリの両方で進化しているのが面白いところです。

