ヨーロッパの小国の旅 その五十四 マルタ

Last Updated on 2020年5月9日 by 成田滋

マルタ共和国(Republic of Malta)は、イタリア(Italy)の南側でイタリアのシチリア島(Sicìlia)の少し南に位置しています。地中海の中央にある小さな島国です。日本ではあまり知られてはいませんが、キリスト教徒には忘れられない島です。

首都のヴァレッタ

地図で分かるように、ヨーロッパとアフリカや中東を結ぶ拠点にマルタは位置しています。マルタは昔から戦略上重要な位置にあるということです。それが現れたのが第二次大戦です。マルタ島は連合国側の軍事拠点となっていました。ナチスドイツは、マルタ島に激しい空爆を行います。1942年にイギリスは、戦時下にあったマルタ島の人々に対して勇敢な行為を示したとしてジョージ・クロス(George Cross)を与えます。この勲章は、一般市民が受章できる最高位の章といわれます。

地中海文明最古といわれる遺跡

イギリスが宗主国として1800年から164年間にわたりマルタを統治してきました。戦後、マルタに独立の機運が高まり、1964年に自治を宣言しイギリス連邦(Common Wealth)の一部となり、1974年に完全に独立を果たします。そして2004年にはEUにも加盟します。公用語は英語、通貨はユーロ、首都はバレッタ(Valletta)です。

マルタの人々の特徴は、新約聖書の使徒行伝(Acts of the Apostles)28章で、使徒パウロ(St. Paul, the Apostle)が記述しています。彼は紀元2年に宣教の途中、マルタ島に漂着します。そこでマルタの人々から暖かいもてなしを受けるのです。その影響のせいでしょうか、マルタの人は旅人への暖かさ、親切さ、寛容さで知られているといわれます。