Last Updated on 2020年6月1日 by 成田滋
1948年以降、西ヨーロッパや北アメリカから高等教育を受けたり高度な技能を持った大量のユダヤ人がイスラエルに戻ります。こうした人々は移民後、様々な職業に就きますが、高い技能を有する人材バンクの中核として、大学や研究機関、ハイテク企業の設立に携わり、国の経済拡大に尽力し、やがてイスラエルの国内総生産を押し上げていきます。
イスラエルは世界中のユダヤ人からの寄附、西ドイツからのナチスの犯罪に対する補償、アメリカ政府からの多額の援助などによる資産を得ます。こうした資産をもとに、イスラエルはは貸し付けや国内投資、外国投資などに向けるのです。イスラエル政府の経済政策は、国内需要の増大と発展を海外の市場に向けることです。同時にイスラエルにはこうした方針を阻む国内問題があります。それは急激な人口の増加、隣国アラブ諸国からの交易上のボイコット、膨大な軍事費、天然資源の不足、高いインフレ、大量生産を阻む国内の小さな市場などです。
こうした困難にも関わらず、イスラエルは国民の高い生活レベルを維持していきます。工業品の輸出、観光業、世界的な高度な科学技術による製品の輸出がこうした高い国民生活を支えていきます。
しかし、高い国民生活水準はアラブ系の住民には行き渡っていません。未だに貧しい生活をしています。ユダヤ人の二つの派であるアシュケナージとセファーディムの間にも所得の格差があります。
イスラエルは、高度な技術力を背景としたハイテク・情報通信分野及びダイヤモンド産業を中心に経済成長を続けており,基本的には輸出を志向する産業構造となっています。近年,ネゲブ(Negev)付近の排他的経済水域内において,大規模な天然ガス田の開発が進められ,2013年からは一部で生産が開始されています。