アラバマ州(Alabama)は合衆国の南部に位置する州です。西はミシシッピ州、北はテネシー州、東はジョージア州と接し、南はフロリダ州と境をなしています。州都はモンゴメリー(Montgomery)の他にバーミングハムBirminghamや、マーシャル宇宙飛行センター(Marshall Space Flight Center)で知られるハンツビル(Huntsville)といった都市もあります。
州の東側はアパラチア高原(Appalachian Plateau)となっていて、鉱物資源が豊富です。ですが主要な産業は農業といえます。生産品は家禽及び卵、牛、植物苗床品目、落花生、綿、トウモロコシ及びモロコシ等の穀物、野菜、大豆、桃となっています。かっては 「綿花の州」(The Cotton State)とういニックネームがこの州についていたほどです。
アラバマ州の歴史で忘れてはならないのが、公民権運動の展開です。黒人差別が厳しい州であったからです。「ジム・クロウ法」(Jim Crow)という人種分離法がつくられていて、交通機関、駅、トイレ、映画館、学校や図書館などの公共機関、ホテル、レストラン、バーなどで白人と有色人種(the colored)を分離することが正当化されていました。
1955年州都モンゴメリーで起こったローザ・パークス(Rosa Parks)逮捕事件が公民権運動の口火を切ったとされます。彼女は当時、白人専用のバスに乗り込んで逮捕されます。これをきっかけに、キング牧師らがモントゴメリー市民に対するバス・ボイコットの運動を始めます。運動は全米に反響を及ぼし、1956年には合衆国最高裁判所が「バス車内における人種分離(白人専用及び優先座席)を違憲とする判決を出します。そしてようやく、1964年7月に公民権法(Civil Rights Act)が制定され、長年続いてきた法の上での人種差別は終わりを告げます。
人種隔離政策などで過激な主張を繰り返したアラバマ州知事のジョージ・ウォレス(George Wallace)は知られています。その代表は「I say segregation now, segregation tomorrow, segregation forever.」というおぞましい文句です。後に彼は大統領選挙にも出馬するという異色の知事でした。