原題は【North by Northwest】という1959年に製作されたスパイスリラー作品です。世界的名監督のアルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)が監督しています。
1958年、ニューヨーク市のホテルのバーにいる2人の凶悪犯が、探しているジョージ・カプラン(George Kaplan)をポケットベルで呼ばれるのを聞きます。そこに居合わせた広告会社の重役ロジャー・ソーンヒル(Roger Thornhill)は、カプランと間違えられ誘拐されて、ロングアイランド(Longisland)のタウンゼント(Lester Townsend)という不動産屋の邸宅に連れて行かれ、スパイのフィリップ・ヴァンダム(Phillip Vandamm)に尋問されます。ヴァンダムはソーンヒルの抗議を無視し、さらに酔っぱらいの運転事故に見せかけて殺そうとします。ソーンヒルは、母親と警察に事情を話しますが、納得させることができません。警察は彼をタウンゼントの家に連れ戻し、そこにいた女性は彼が彼女のディナーパーティーで酔って現れたと言います。
ソーンヒルは釈放され、拉致されたホテルに戻ってキャプランの正体を確かめようとします。しかしホテルの客室にカプランが宿泊している形跡はあっても、カプラン当人を見た者は誰もいません。そのうち邸宅にいた手下たちが追ってきたことを知ってソーンヒルはホテルから逃走し、タウンゼントが国連で演説する予定と聞いたことを思い出します。そして今度はタウンゼントを追って国連本部へ向かいます。ところが国連のロビーで会ったタウンゼントは、邸宅にいた男とは別の人物です。2人が噛み合わない会話をしていると、そのタウンゼントの背中に手下のひとりが投げたナイフが突き刺さります。ソーンヒルは、殺人容疑者として大きく報道されてしまうのです。
架空の人物とも知らず、なおもカプランを追い求めるソーンヒルは、シカゴに向かう特急寝台列車「20世紀特急」(20th Century Limited to Chicago)に乗ります。その車内でイヴ・ケンドール(Eve Kendall)という女性と親しくなります。彼女はソーンヒルがお尋ね者であることを承知していて、彼を自室に招き入れてかくまうのです。ところが同じ列車にヴァンダム一味も乗っていて、実はイヴは彼らと通じていたのです。シカゴに着くと、イヴはカプランと連絡をとったと言って、ソーンヒルを郊外の広大な平原に向かわせます。しかし、その平原でいつまで待ってもカプランは現れず、そのかわり農薬を散布していたはずの軽飛行機が襲いかかってきます。平原を縦横に逃げるソーンヒルを追い回すうち、軽飛行機は通りかかったタンクローリーに衝突して炎上してしまいます。
ともかく、この映画は、スパイスリラーですから、いろいろとハラハラする場面が満載です。たとえば、ラシュモア山(Mount Rushmore)の頂上への逃走劇です。指先で山にぶら下がるイヴをソーンヒルは手を伸ばして彼女を引き上げます。ソーンヒルとケンドールが山を下るとき、彼らはパークレンジャーによって打たれる凶悪犯を眺めます。その後の経緯は見てのお楽しみですが、ソーンヒルは新しくソーンヒル夫人となったイヴを電車の上段に引き込みます。その後、列車はトンネルに入るという結末です。