ヨーロッパの小国の旅 その六十三 アルメニア

アララト山と葡萄畑

「ヨーロッパの小国の旅」の最後の稿です。アルメニア(Republic of Armenia)は、南コーカサス(Transcaucasia)に位置する共和制国家です。東ヨーロッパに含められることもあります。首都はエレバン(Yerevan)で、黒海(Black Sea)とカスピ海 (Caspian Sea)の間にある内陸国です。西にトルコ(Turkey)、北にジョージア(Georgia)、東にアゼルバイジャン(Azerbaijan)、南にイラン(Iran)とアゼルバイジャンの飛び地(Exclave)、ナヒチェヴァン(Naxçıvan)自治共和国と接します。

タテフ修道院

アルメニアもまた近隣の国々と同時に長い歴史を有しています。この稿では現代史に限定することにします。1918年にロシア帝国(Russian Empire)から独立します。1920年にはトルコとロシアによって侵略されます。その年の9月にソビエト–アルメニア共和国が樹立されます。1922年になるとコーカサス-ソビエト社会主義共和国となります。1936年にはアルメニアはソビエト連邦に併合され、長い間ソ連の統治化に置かれます。

ノラヴァンク修道院教会

1991年にソ連保守派のクーデターが失敗したため、同年9月にアルメニア社会主義ソビエト共和国は「アルメニア共和国」として独立します。同年12月25日付でソ連邦は解体・消滅し、アルメニアは晴れて独立国家となります。

アルメニアは内陸に位置し山岳地帯に囲まれています。国の平均海抜は1800mです。火山地帯にあり、これまで大地震に襲われてきました。1988年12月に起きた地震では約25,000人が犠牲となるほどの規模でした。