ヨーロッパの小国の旅 その五十六 オーストリア共和国

オーストリア共和国(Federal Republic of Austria)は、中部ヨーロッパの内陸に位置し、南はドイツ(Germany)、イタリア(Italy)とスロベニア(Slovenia)、西はリヒテンシュタイン(Liechtenstein)とスイス(Switzerland)、北はドイツとチェコ(Czech)、東はハンガリー(Hungary)とスロバキア(Slovakia)とに隣接しています。

首都はウィーン(Vienna)。国土の70%がアルプス山脈を擁し、人口は870万人、公用語はドイツ語です。その他クロアチア語、ハンガリー語、スロベニア語も使われます。ヨーロッパで生活水準が非常に高い国といわれます。1995年にEUに加盟し通貨はユーロとなっています。

オーストリアの紀元はローマ帝国時代に遡ることができます。紀元前15世紀頃ケルト王国(Celtic Kingdom)がローマ帝国によって征服されます。ノリクム(Noricum)というローマの支配名が付けられます。これが現在のオーストリアとなった地域です。紀元後788年にはフランク王国(Frankish)のシャルメイン王(King Charlemagne)が. ノリクムを征服しキリスト教を認めます。ハプスブルグ王朝(Habsburg dynasty)の下で、オーストリアはヨーロッパにおける強大な国家となっていきます。1867年にはオーストリア・ハンガリー帝国(Austria-Hungary)という国の名称に替えます。

ですが、オーストリア・ハンガリー帝国は第一次大戦で敗れ滅びます。そしてオーストリア共和国となります。その後、第二次大戦の初期にナチスドイツ(Nazi Germany)に占領されますが1945年に連合国によって解放され、1955年に民主的な憲法を施行し、同年に永世中立を宣言します

EU加盟以降は、同言語・同民族の国家同士でありながら複雑な国際関係が続いてきたドイツとの距離が再び縮まりつつあります。国内でも右派政党の進出などドイツ民族主義の高まりが懸念されています。