ヨーロッパの小国の旅 その五十 バチカンとシスティーナ礼拝堂

Sistine Chapel

ヨーロッパにある小国の代表といえばバチカン市国(Vatican City)の右に出るものはないでしょう。バチカンはローマ市内の一部にあり、国土面積は世界最小です。東京ディズニーランドよりも小さな国です。しかも国の3分の1が庭園という美しい国です。「サン・ピエトロ大聖堂」(St. Peter’s Basilica)が、カトリック教会の総本山として君臨しています。

最後の審判

バチカンの地は古代以来ローマの郊外にあって、人の住む地域ではなかったと記されています。約3000年前には古代の死者の街である「ネクロポリス」(necropolis)、すなわち埋葬地として使用されていました。ローマ人の共同墓地だったようです。326年にコンスタンティヌス1世(Constantine I)によって、殉教した聖ペトロ(St. Peter)の墓所とされたといわれます。そして、この地に最初の教会堂が建てられたのがサン・ピエトロ大聖堂の前身となります。

アダムの創造
アテナイの学堂

ローマ教皇(Pope)はバチカン市国首長であり、その権威と威光は絶大なものです。教皇は80歳未満の枢機卿(Cardinals)たちの選挙で選ばれます。この選挙のことをコンクラーヴェ(Conclave)といいます。選挙の会場は、バチカン宮殿のミケランジェロ(Michelangelo)の「最後の審判」(Last Judgment)で有名なシスティーナ礼拝堂(Sistine Chapel)です。120名から成る枢機卿団 (College of Cardinals)によって行われます。コンクラーヴェでは、投票の結果が判明するたびにシスティーナ礼拝堂の煙突から煙が上がります。決まらなかった時には黒煙、決まったときには白い煙がでます。面白い儀式です。